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東日本大震災の継承は NHK仙台、岩手日報 マス倫で講演

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の月例会が4月25日、新聞協会会議室で開かれ、NHK仙台放送の津田喜章アナウンサーと岩手日報の神田由紀報道部長が「東日本大震災 報道の歩みと今後の課題」をテーマに講演した。被災地で5年間取材・報道を続けてきた両氏は、記憶の風化に歯止めをかけるため実情を伝え続け、震災の教訓を継承していくことの重要性を指摘した。

名もなき人の声を紹介

 NHK仙台は大震災直後の2011年3月20日から「被災地からの声」という番組を放送する。東北の被災地で一般の人に最も言いたいことを話してもらう内容。現在は東北地方で毎週木曜午後0時20分から43分まで。月に一度、全国放送もある。

 偶然出会った人の話をナレーションなしで伝える。撮影した人には、必ず登場してもらう。津田氏は「普段ニュースにならない声を伝えたい」と意図を説明する。原発により故郷を奪われた人の悲しみや、政治家への怒りをそのまま放送してきた。「同じ悩みを持っている人がいて気が楽になる」など、被災者からも好意的な反応が多いという。

 震災発生から5年が経過し、記憶の風化も懸念される。津田氏は「人々の記憶が薄れていくのは仕方ない。伝え続けることで少しでも風化の速度を落とせるのではないか」と述べ、番組を続ける意欲を示した。

津波犠牲者の行方記録

 岩手日報の神田氏も「多くの死者を出した津波の教訓を忘れないでほしい、と話す被災地の人は多い」と指摘する。同社は今年3月、地震発生から津波襲来までの犠牲者の行動を地図上に示すウェブサイトを開設。多くが低地の避難所に逃げたことや、半数以上が自宅にとどまったことを可視化した。神田氏は「防災教育への活用も検討したい」という。海外からの反響も大きく、4月に英語サイトも公開した。

 同社は他県でも大きな災害が発生した現場に記者を送り、将来の災害に備える。広島市の土砂災害や御嶽山噴火(いずれも14年)のほか、熊本地震でも記者3人を派遣した。長引く避難の様子や被災地での苦労を伝えた。

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