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【熊本地震2か月】熊日、生活情報に高い評価

複雑な問題 部横断で検証

 熊本地震の発生から、2か月がたとうとしている。震度7を2回記録し、震度1以上の揺れが5日までに1600回を超える異例の展開をたどった。地元の熊本日日は発災直後、被害・生活情報の提供に力を注ぎ、被災者から高い評価を得た。復興への動きが今後、本格化する。被災者の抱える問題は複雑になるとみられる。多面的に取材する部横断の態勢作りが課題に挙げられた。

 熊本県災害対策本部による6月5日の発表によると、死者は関連死を含め69人、行方不明者は1人。避難者は最大18万人(4月17日)で、現在約7千人が避難所で暮らす。このほか、車中やテントで暮らす人もいた。

 「震災直後は、被害と生活の両情報に重点を置いた」。丸野真司編集局長は話す。前者は社会部が統括し、後者は熊本総局や地方部、政経部が中心となった。

 生活情報は4月末まで、1個面を割いた。行政機関の発表、店舗や病院の営業・診療時間は一つ一つ確認した。降版時間の繰り上げで時間は限られたものの、訂正を出さなかった。「熊日は確かだ」と「避難所でも最初に選んでもらった」。丸野氏は、そう手応えを表現した。

 地震から時間を経るとともに、読者の求める情報は一様ではなくなる。新聞社に寄せられる読者の声が、紙面作りの参考になったという。罹災(りさい)証明の遅れや被害判定、車中泊が続く問題などを取り上げてきた。

 5月中旬~6月末までは行政の対応、ライフラインの備え、文化財への被害など課題を九つに整理し、検証を続ける。

 6月5日には甲佐町の仮設住宅で入居が始まるなど、復興が本格化する。丸野氏は「生活や自宅の再建といった段階に移り、避難生活をしてきた人の歩みが様々になる」と指摘する。

 雇用、地場企業の経営、農業被害、観光など、問題は相互に関連する。取材部門も政経部、社会部など複数にわたる。

 複雑化する問題を一体的に検証する態勢を、どう築くか。丸野氏は「悩ましい」としつつ「縦割りではなく、横串を刺すことが重要だ」として、熊本市東部に設けた「臨時総局」を例に挙げた。

 臨時総局は、震災から約1週間後の4月22日に置かれた。被害の大きかった熊本市東部、益城町、西原村、御船町を取材地域とする。通常は別々の総支局が管轄していた。

 臨時総局の設置により被害の大きな地域を俯瞰し、本社の関連部門とも情報を共有して取材を深めることを狙う。1年は続けていきたいという。

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