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【熊本地震2か月】熊本日日 安全確保し配達継続

部数回復へ全読者訪問

 4月14、16の両日に震度7を記録した熊本地震によって熊本日日は販売、広告ともに大きな影響を受けた。被災地の販売所は、安全を確保しながら読者に新聞を届け続けた。5月下旬から販売部数の回復に向け、県内の全読者宅の訪問に取り組む。経済活動の再開は本格化しないものの、広告も5月下旬から住宅関連、熊本市中心部の商店街が広告を出稿し始めている。

 前震、本震の直後、配達は厳しい状況が続いた。震度7を2度記録した益城町の販売センターは、アルバイトを含め100人の従業員を雇用し、5500部を扱っていた。地震で多くの従業員が避難所生活を送り、自宅を失った人もいる。三ケ(さんか)道範所長も1か月以上、避難所生活を続けた。

 停電が続いた1週間近く、配達用のバイクで店内を照らし紙分け作業した。崩れた家屋が道をふさぎ、道路は陥没する。新聞を届ける使命感を持って出勤する従業員もいたものの、16日から社員が配達を担当した。「従業員の安全を第一に考えた」(三ケ氏)。組み作業に手がまわらず、折り込み広告を約1か月止めた。

 配達は10人の社員で手分けした。安全を確認できれば、アルバイトに配達を任せる。社員は別の地区の安全を確認する方法で、1週間以上かけ配達地域を戻した。しかし、遠方に避難したり、家族の反対で辞めた従業員もいる。「配達体制を整えなければいけないが、今いる従業員の負荷を重くすることに葛藤がある」と三ケ氏は話す。

 被災者にとり、新聞は確実な情報源となった。「こういうときだからこそ新聞は助かる」「情報がない中でありがとう」といった声をかけられたという。

 熊本日日は4月15日から、避難所への配達を続ける。4月下旬には約160か所の避難所へ最大1万部に上った。6月11日現在も約3600部を届ける。

 避難所で生活情報が充実した熊本日日を読み、購読を始めた人もいるという。大きな被害を免れた地域からも、地震関連の情報が充実しているとして、購読申し込みもあった。新しい読者の開拓に向け「復興の情報が充実し、生活に役立つことをアピールしている」。和田浩二販売局長は話す。

 部数は地震後、最大で約1万3千部減となった。和田氏は「部数をどう回復させるかが最大の課題だ」と力を込める。5月下旬から県内の全読者にお見舞い訪問を始めた。避難などで一時止めになっている読者にも一時帰宅のときに会えるよう、足しげく通う。6月初めまでに約3千部戻した。

 益城センターも1500部近く部数が減った。人々の生活が再建に向かい「部数がさらに落ち込むのではないか」と、三ケ氏は悩みを打ち明ける。一方「この状況で新聞を勧誘することは、未来の読者を減らすことにつながる」とも。系統店では最後になったものの、6月から集金を始めた。「少しでも読者の話を聞くよう伝えている。その日に集金できなくてもいい。地域の人と密着することから始めよう」

 熊本日日は6月度の納金から、延期や分納にも対応する。嶋田彰販売局次長は「販売所の経営状況を見ながら、資金調達を含めて支えていきたい」と話した。

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