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「忘れられる権利」認めず 検索結果の削除要請を却下 東京高裁 

 大手検索サイト「グーグル」の検索結果から自身の逮捕歴に関する記事を削除するよう男性が求めた仮処分申し立ての保全抗告審で、東京高裁は7月12日、削除を命じたさいたま地裁の決定を取り消し、男性の申し立てを却下した。

 男性は、児童買春・ポルノ禁止法違反の罪で、罰金50万円の略式命令を受けた。氏名と住所を入力して検索すると逮捕歴に関する記事が表示されるとして削除を求めていた。

 東京高裁は、名誉権やプライバシー権に基づく差し止め請求を巡る従来の判例に沿って検討した。杉原則彦裁判長は、男性の犯行は、社会的関心が高い児童買春行為であることなどから、略式命令から5年を経過していても公共性があると指摘。検索結果を削除することは「表現の自由と知る権利を侵害する」とした。

 男性側が主張した「忘れられる権利」については「法律で定められたものではなく、実体は名誉権やプライバシー権に基づく侵害行為の差し止め請求と同じだ」として、個別に判断する必要はないとした。

 さいたま地裁は昨年6月、「更正を妨げられない利益を侵害している」として、削除を命じる仮処分を決定。グーグルが不服を申し立てた保全異議審で同地裁は12月、ある程度の期間が経過した後は過去の犯罪を社会から「忘れられる権利」があるとして、仮処分を認めていた。

 男性側は高裁決定に不服を申し立てた。

 グーグルは「人々の知る権利と情報へのアクセスを尊重した判断であると考えている」とコメントした。

 仮処分とは別に男性が削除を求めた訴訟は、さいたま地裁で係争中となっている。

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