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援助協定、訓練が奏功 災害対策特別委が熊本地震で報告 

新聞受け渡しなどに課題も

 災害対策特別委員会は7月20日、報告書「『平成28年(2016年)熊本地震』と新聞発行」を理事会に報告した。各社の対策に生かせるよう、熊本地震の教訓や課題を盛り込んだ。災害援助協定が定期的な訓練によって迅速に運用できたと述べ、製作設備の部品調達や協定発動時の新聞の受け渡しが検討課題だとしている。村田正敏特別委員長(北海道)は「経営戦略としての災害対策、印刷や発送など課題の解決に向け参考にしてほしい」と話した。

 報告書は「熊本地震が新聞発行に与えた影響」「有効だった事前対策」「教訓と検討課題」「新聞協会としての取り組み」の4章構成。熊本日日と西日本、全国紙や放送局の災害対応などを盛り込んだ。各社に送付するほか、会員社サイトにも掲載する。村田特別委員長は理事会で、各社が新聞を発行し続け「新聞の情報は確かだ」との信頼感を読者・被災者から得たとの認識を基にまとめたと述べた。

 新聞製作では、災害援助協定に基づく訓練の実施と湿し水の備蓄や井戸水の活用が事前対策として有効としている。熊本日日と西日本は毎年、災害援助協定に基づく訓練として、紙面データの送受信テストを実施し、整理記者を派遣し大組みを行う。編集や印刷、輸送部門の局長や局次長らが実務者会議を開く。訓練を重ねていたことが、円滑な協定の運用につながった。

 巻き取り紙の確保に、大きな問題は生じなかった。平常時から複数の製紙会社から調達していたほか、九州各紙は緊急時を想定し、他工場で生産された巻き取り紙でテスト印刷を実施していたことも功を奏した。

 社屋や印刷工場の免震・耐震対策、親局・中継局の安全確保も有効だった。

 熊本日日で発生した輪転機の故障は、同型機を使う他社工場からの部品提供で復旧した。自社で部品の予備がない場合、社を超えた情報共有が迅速な復旧につながる。輪転機の延命を図る社が増える中、平時から予備部品の確保は重要になっていると指摘している。

 教訓としては、援助協定に基づき代行印刷された新聞の受け渡し場所を具体的に定めておくことが挙げられた。輸送面では、緊急・除外車両の通行に支障が出ないよう、関係当局との意思疎通が重要だとした。販売所との連絡にショートメールや無料通信アプリ「ライン」が有効だったことも盛り込まれた。

各委員会と連携し情報を提供

 災害対策特別委員会は今後、各委員会と連携してさらに情報収集に努め、会員各社に情報提供していく。

 技術委員会は東日本大震災以降、「災害・障害発生時の相互援助協定に関するアンケート」を毎年実施している。訓練の実施状況や非常時用の工場用水の確保に加え、今後、他社での印刷時の新聞の輸送に関する取り決めについても把握するよう努め、会員各社に提供していく。このほか、主要製作設備の保有状況や設備更新、免震・耐震対策、不要部品の提供に関する情報も技術委員会が把握しており、引き続き情報共有に努める。

 編集委員会は6月、各紙を対象に緊急通行・除外車両の指定状況に関する調査をまとめた。今後、編集委員会または販売委員会が必要に応じ調査を実施し、各社に情報提供していく。

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