1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 新聞活用広げる実践研究 大分市でNIE全国大会

新聞活用広げる実践研究 大分市でNIE全国大会

小中高連携など課題も

 第21回NIE全国大会は8月4、5の両日、大分市のホルトホール大分などで開かれた。初日のパネル討議では、実践研究会を通じて教師の経験が共有され、新聞活用の幅が広がりつつあるとの報告があった。新聞の大きな学習効果は「立場や意見の違いを認める姿勢が身に付く」ことだとする意見が出され、今後の課題には小中高校間の連携や、学習効果を検証する手法の確立が挙がった。

 大会テーマは「新聞でわくわく 社会と向き合うNIE」。開会式で新聞協会の白石興二郎会長(読売)は「新聞は絶好の学習材だ。複数紙を読むことで多様な言論の存在や、他者の意見を尊重する大切さを理解できる」とあいさつした。

 大分合同の長野景一代表取締役社長は、大分・熊本両県に大きな被害をもたらした熊本地震に触れ「多くの人の参加が、復興を後押しする」と謝意を述べた。この大会を通じ「子供と新聞が出会う機会をどう作るか考えてほしい」と呼び掛けた。

 堀泰樹大分県NIE推進協議会長(大分大教授)は基調提案で「子供が地域や社会に目を向け、課題を解決する力を育てるのがNIE」と指摘。学校を挙げて実践するなど組織的に取り組み、広がりと継続性を生むことが必要だと述べた。

 パネル討議には新聞協会の関口修司NIEコーディネーター、大分県日田市立三芳小学校の塩川美紀教諭、大分市立碩田中学校2年生の亘鍋早希さん、大分合同の渡辺美加記者、作家の小野正嗣さんが登壇した。大分市立寒田小学校の佐藤由美子校長がコーディネーターを務めた。

 大分県では2012年にNIE実践研究会が組織された。渡辺記者は、実践者が経験を共有する場ができたことで、授業の幅が広がったと評価する。「社会や国語に加え、数学でも新聞が活用されている。研究会で教員のつながりが生まれ、優れたアイデアが広がるようになった」と述べた。

 関口氏も、組織的な実践研究の活動を通じてNIEの楽しさや教育効果を共有できると評価した。今後の課題に、小中高校の連携や行政との協力を挙げた。効果検証手法の確立や、日常的に新聞に触れるNIEタイムの実施も提起した。

 大分市で6月、授業で新聞を活用した小中学生8人が意見を交換する「NIE子ども会議」が開かれた。司会を務めた渡辺記者は「立場や意見の違い、多様性を認める力が身に付いていると感じた」。会議に参加した亘鍋さんは、小学校時代の授業で新聞記事について話し合ったことを紹介。「NIEを通じ、お互いの意見を尊重することを学んだ」と話した。

 大会は新聞協会主催、大分県と大分市の両教育委員会の共催で開かれた。大分合同新聞社と大分県NIE推進協議会が主管した。実践教師や新聞社の担当者ら1423人が参加した。

前のページ

次のページ

ページの先頭へ