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「当事者の考え尊重を」  被害者の実名報道で 障害者擁護団体 マス倫月例会

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の月例会は10月14日、新聞協会会議室で開かれた。知的障害者の権利擁護に向けて活動する神奈川県手をつなぐ育成会の依田雍子会長が、犯罪被害者の報道について実名を原則にするのではなく「当事者の考えを尊重するようにすべきだ」と語った。

 相模原市で起きた知的障害者施設での殺傷事件で、神奈川県警は被害者の実名を非公表とした。これを報道機関が疑問視する考えを示したことを巡り、依田氏は「当事者の意見を反映しているか」「実名でなければ事件の重大性を伝えられないか」の2点から実名原則の是非が問われるべきだと述べた。

 「匿名は障害者差別だ」として、他の犯罪と同じように実名で報道されるべきだとの主張には「名前を知られたくないという思いを尊重することも社会正義ではないか」と問題を提起。障害の有無に関わらず犯罪被害者の実名報道に対し「本人がどう思うか想像したり、知ろうとしたりする努力が必要だ」と説いた。

 相模原の事件では、匿名発表により報道機関は被害者側の意思を確認する選択がなかった。これについては、警察による実名発表を拒否しているのではないとしつつ、情報がインターネットで拡散することも挙げ「報道でどう扱われるかが心配だ。発表ではなく、報道の実名・匿名の問題を考えなければならない」と話した。

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