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メディアが理解促進担う 経済、安全保障など討議 日中韓セミナー

 第5回日中韓3か国報道人セミナーが10月26日、「メディアからみた3か国の課題と方向性―歴史、経済、安全保障」をテーマにプレスセンターホールで開かれ、相互理解を深めるためのメディアの役割について討議した。安全保障を巡る議論では、緊迫する国際情勢を背景に厳しい意見も交わされた。

 新聞協会、中華全国新聞工作者協会、韓国新聞放送編集人協会が共催する。日本側17人、中国から11人、韓国からは12人が参加した。日本側の議長を務めた国際委員会の立野純二委員長(朝日・論説主幹代理)は「3か国は経済や暮らしなど同じ問題を共有している。メディアにできることを考える機会にしたい」とあいさつした。

 経済分野の議論では、中国・科技日報社の談琳記者部副主任が「科学技術は国境やイデオロギーを問わない」と述べ、産学連携や知的財産保護で協力し国際市場を開拓したいと呼び掛けた。朝鮮日報の朴正薫論説委員は、長引く不況から脱却するため「アベノミクスに学ぼう」との声があると紹介した。

 3か国のメディアの役割についてソウル新聞の呉一萬論説委員は「互いの弱点を攻撃するのではなく、同質性に注目して和解と協力の道筋を示すことが大切だ」と述べた。中国日報社の高岸明副総編集は「収入が高く、国際交流経験が豊かであるほど他国に良い印象を持ちやすい」との調査結果を引き、相互理解を深める環境をメディアが作り出すことが必要だと語った。

 西日本と釜山日報は記者交換事業で、相手都市のニュースを相互に伝えている。西日本の永田健論説副委員長は、首都発の情報に囲まれていると対立が生まれやすいとし「相手を理解するには、地方同士の交流が重要だ」と話した。

 安全保障分野の議論では、読売東京の森千春論説委員が「中国は大国としてアジアの安定と平和に貢献する責任がある」と指摘。北朝鮮対応や海洋進出について懸念を表明した。

 新華社参考ニュース報の劉華副訳審は在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備や日本の歴史認識問題を挙げ「3か国の良好な雰囲気を壊しかねない」と指摘した。

 中央日報の金秀貞論説委員は「北朝鮮の核兵器は近隣国の脅威」であるとし、THAAD配備に理解を求めた。これに対し劉氏は「THAADのレーダーは探知範囲が中国にも及ぶとされ、看過できない」と応じた。中国日報社の高氏は「北朝鮮に『有事』があれば中国にも難民が押し寄せる」と述べ、中国が対話に注力していることに理解を求めた。

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