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論点解きほぐす報道を 放送大・原教授が天皇の退位問題で講演 マス倫月例会

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の月例会が11月14日、新聞協会会議室で開かれ、原武史放送大教授が天皇の退位を巡る報道について講演した。さまざまな論点が交錯する有識者の議論を解きほぐし報じることが必要だと指摘した。

 天皇がビデオメッセージで退位の意向を強くにじませた後、政府は有識者会議を設置した。これまでの議論やヒアリングでは、天皇について「国政に関する権能を有しない」と定めた憲法4条との整合性が論点となっている。原氏は「天皇の意向に基づいて退位に賛成すれば天皇を『権力の主体』と認めているように見える。制度としての天皇の在り方を尊重する右派の識者ほど、批判的な立場をとる傾向にある」と説明した。

 皇室典範の改正は時間が掛かるとして、特別法で一代限りの生前退位を可能にする案も浮上する。原氏は「『おことば』を読み解くと、高齢社会に対応した皇室の在り方が問われていることが分かる」とし、特別法の選択はこの問題を避けることになるのではないかと疑問を呈した。皇室典範に手を触れたくない政府の思惑も透けて見えると指摘した。

 天皇に対する印象を尋ねた2013年の世論調査結果によれば、「好感を持っている」「尊敬の念を持っている」がともに約35%だった。無関心層が大半だった平成初期と比べると、東日本大震災後に天皇が国民に語り掛けたことを契機に世論は大きく変化しているという。原氏は「こうした世論を理解した上で報じていく必要がある」と話した。

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