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郵送で新有権者の意識探る 世論調査協会シンポジウム

報道が投票率向上に貢献

 日本世論調査協会のシンポジウム「18・19歳の世論と選挙」が11月18日、東京都千代田区の中央大駿河台記念館で開かれた。朝日、読売、共同の世論調査部長らが新有権者の意識を探るため参院選の前後に郵送調査やネット調査を活用したことや、質問票作りの工夫について話した。学校で主権者教育を受けた人の投票率が高いことが調査で裏付けられたとの報告があり、新聞報道が奏功したとの見方も示された。加盟各社の社員や研究者、学生ら約100人が参加した。

 朝日の前田直人世論調査部長、読売の鳥山忠志世論調査部長、共同の池田健夫総合選挙センター次長、明るい選挙推進協会・調査広報部の鈴木秀毅氏らが登壇した。

 選挙年齢引き下げ後初の国政選挙となった7月の参院選では、新有権者は全有権者の約2%に当たる約240万人だった。池田氏は「RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で18、19歳だけを抽出するのは難しい。郵送調査で意識を探り、インターネットのモニター調査で補足した」と説明した。

 朝日と読売も18、19歳対象の郵送調査を実施した。朝日は「幸福感など答えやすい設問から入り、徐々に政治意識に関する質問に移るなど調査票を工夫した」(前田氏)。年齢が高い有権者に比べて意見表明に慣れていないため、回収率を懸念していたものの、対象者の約7割に上ったという。

 読売は選挙前後の意識の変化に着目した。3~5月にかけ実施した調査では新有権者と成人の意識差を明らかにするため、両者に同じ質問をした。鳥山氏は「新有権者の本音を探ろうと自由記述欄を設けた」と話す。7~8月にも同じ新有権者に意識を尋ねたところ、選挙を通じて政治への関心が高まったことが明らかになった。学校で主権者教育を受けたり、家庭で政治の話をしたりした人の投票率は、そうでない人より高いことも分かった。

 新有権者の政治参加に対する読者の関心は高い。しかし、郵送調査には時間がかかるため、共同は公示前後にネット調査を4回実施した。

 「政党は分かりやすく政策を訴えていると思うか」との質問に8割以上が一貫して「思わない」と回答した。池田氏は「主権者教育を継続し、意識の高まりを一過性のものにしないことが重要だ」と語った。

 18、19歳の投票率は46.78%(選挙区、以下同)だった。18歳が51.28%、19歳は42.30%。18歳の方が高かった。明るい選挙推進協会の鈴木氏は、大分県では18歳の投票率が47.75%で、高校3年生に絞ると70.23%だったことを紹介。「学校での主権者教育の成果ではないか」と述べ、新聞各社の新有権者向けの記事が学校や家庭で読まれたことが、投票率を押し上げた可能性があると指摘した。

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