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電通社長が辞任表明 長時間労働 法人の書類送検で引責

 電通の石井直社長は12月28日、新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が過労自殺し、同社と当時の上司が書類送検された責任を取り、1月の取締役会で辞任すると表明した。記者会見で「新入社員の過重労働を阻止できなかったことは慚愧(ざんき)に堪えない」と述べた。3月の定時株主総会で取締役も退任する。

 厚生労働省東京労働局は同日、高橋さんら社員2人に労使協定の上限(50時間)を超える残業をさせたとして、電通と上司を労働基準法違反容疑で東京地検に書類送検。起訴を求める厳重処分の意見を付けた。

 高橋さんは15年12月に長時間労働による過労で自殺。昨年9月に三田労働基準監督署が労災認定した。残業時間を最も多かった月で105時間と認定し、うつ病を発症したとした。11月には厚労省が電通本社や支社を強制捜査していた。

 電通の中本祥一副社長は会見で、長時間労働に関する社内調査の結果を説明した。労使協定の上限を超す違法な残業が減る一方、自己申告に基づく終業時間と退館時間が1時間以上ずれるケースが13年から15年にかけ増加し、勤務時間の過少申告が増えていたと述べた。

 東京労働局は違法残業の実態を引き続き捜査する。

業務量適正化へ 専従執行役員

 電通の中本祥一副社長は12月28日の記者会見で、過労自殺問題を受けて新たに任命した専従執行役員を中心に「業務量の適正化」などに取り組むほか、各局に社員の業務や健康を管理する担当職を配置すると述べた。改善状況を検証するため、外部有識者による監督委員会も設ける。

 電通は10月以降、長時間労働を無くすため午後10時にオフィスを消灯している。11月には労働環境改革本部を発足させ再発防止に取り組んでいる。

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