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ネット上の実名巡り議論 マス倫合同会議 報道倫理研が報告

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の月例会は1月12日、メディアと法研究会との合同会議として新聞協会会議室で開かれた。ネット時代の報道倫理研究会(第3期)が、インターネットでの実名報道に「一定の配慮」が必要とした報告書を巡り意見交換した。参加者からは、実名報道や続報の大切さを説く意見が出された。

 第3期研究会の幹事を務めた藤谷健氏(朝日東京ソーシャルメディアエディター)は「情報が発信者の意図を超え拡散し、ネット空間に残る」ことを問題意識の背景に挙げた。副幹事の堀部敏男氏(NHK社会部専任部長)が報告書の概要を説明した。

 報道機関がネット配信した個人の犯罪記事を中心に、削除請求が2013年から急増。14年に初めて、検索大手が削除を命じられた。一方、東京高裁は16年、「知る権利を侵害する」として5年前の犯罪歴について削除を命じた一審の決定を取り消した。削除請求が認められるのは、公訴時効の期間が目安という。

 ネットでは実名を報じられた個人の人権を侵害する行為もある中、検索事業者に権利侵害の判断は難しい。報道各社はウェブ掲載の期間を数日~1年としたり、匿名化の基準を設けたりしている。一方、実名報道を貫くべきとの意見もあり、社により考え方にばらつきがあるとした。

 報告書は欧州で議論を呼ぶ「忘れられる権利」の権利性を否定しつつ、報道各社も「一定の配慮」が必要だとした。ネットにより地域や時間の概念が崩れ、情報の公共性や適切な発信の仕方を「より深く考えなければならない」と結んだ。

 参加者からは「東京高裁の判断に照らし、報道各社が1年でウェブから削除するのは配慮し過ぎ」「ネットでプライバシーを暴く人がいるのを理由とした匿名化はおかしい」との意見が出された。「逮捕時の報道に重点が置かれ過ぎる。不起訴などになったときの続報をもっと出すべきだ」との見方も示された。

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