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逮捕記事の削除請求棄却 東京地裁 「表現の自由萎縮」

 逮捕当時の記事を実名でインターネット上に掲載しているのは人格権の侵害に当たるとして、東京都の男性が米通信社ブルームバーグ、ファクタ出版などに記事の削除を求めた訴訟の判決が2月15日、東京地裁であった。吉村真幸裁判長は「適法に報道された記事の掲載が7、8年後に違法となれば表現の自由を萎縮させかねない」と述べ、男性の請求を棄却した。

 この男性はインサイダー取引による金融商品取引法違反容疑などで2009年に逮捕され、10年に執行猶予付きの有罪判決が確定した。記事の削除を各社に求めたが拒否され、提訴した。

 吉村裁判長は削除可否の判断基準として、事件の社会的意義、実名で報じる必要性、当事者の地位や生活環境などを挙げた。また、時間の経過による社会情勢の変化と表現の自由への萎縮効果も考慮すべきだと述べた。

 その上で、大きな注目を集めたインサイダー事件について「風化には相当の期間を要する。男性の逮捕や起訴は、今なお公共の利害に関する事実だ」と指摘した。実名の記事をネットに掲載する意義も変わらないと結論付けた。

 男性が併せて求めていたブログや質問サイトの書き込みの削除も、地裁は退けた。ヤフーも質問サイトの運営者として提訴されていた。

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