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無許諾利用は限定的に 著作権法改正で意見書 新聞協会

 新聞協会は3月27日、文化庁の小委員会がまとめた著作権法改正に関する中間報告への意見書を同庁に提出した。著作物を許諾なしで使える範囲が不当に広がれば、知る権利や健全な民主主義の発展も危うくなると主張した。無許諾で利用できる範囲を限定し、ガイドラインなどで明確にするよう求めた。

 文化審議会下部の法制・基本問題小委がまとめた中間報告は、著作物の無許諾利用の範囲を広げる「柔軟な権利制限規定」の導入方針を盛り込んだ。「フェアユース規定」による包括的な制限ではなく、権利者に及ぶ不利益の度合いを3段階に分類し、それぞれに応じた制限規定を設けるよう提言した。教育現場でのデジタル著作物の利用について、メールやオンデマンド送信に権利制限を拡大する方針も示した。

 意見書はコンテンツの「ただ乗り」が許されれば、新聞社の報道に支障を来すと指摘した。その上で、権利制限は限定的で範囲を明確にすべきだと述べた。

 今回の「柔軟な権利制限規定」に関しては、法制・基本問題小委がフェアユースに懸念を示し、多層的な対応を提案している点を評価。「長年に及ぶフェアユース規定の議論に終止符を打つべきだ」とした。

 一方、「権利者の不利益は軽微」な場合に無許諾で利用できるとした点には懸念を示した。見出しやリードだけの「軽微」な利用でも概要が分かり、独自に記事を収集し表示するサービスが行われると、新聞社の事業に影響が出る恐れがあるとした。一定期間を経過した後の容疑者の匿名化など、新聞社の人権上の配慮が無意味になる可能性も指摘した。権利制限の範囲を明確化するガイドラインを策定したり、人権上の対策を講じたりするよう求めた。

 教育現場でのデジタル著作物の利用については、紙の新聞とのバランスをとりながら進めるべきであり、「新聞記事の利用は権利制限ではなく契約によるべきだ」と主張した。

 デジタルの特性上、無許諾利用が認められると違法な利用が広がる恐れがある。中間報告が権利制限に際し補償金の導入を提言した点に対し「金額は諸外国の例を参考に適正な水準とする」よう求めた。権利制限の範囲を明確にした指針に加え、著作権教育を進める必要性も指摘した。

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