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メディア信頼回復の鍵は 朝日とテレ朝が共催シンポ

ファクトチェックを強化(朝日) 視聴者が生中継の反応共有(テレ朝)

 朝日新聞社とテレビ朝日は4月22日、東大・伊藤謝恩ホール(東京都文京区)で「情報をどう受け止め、発信するか」をテーマにシンポジウムを開いた。朝日の中村史郎ゼネラルエディター兼東京本社編成局長、テレビ朝日の小木哲朗報道局AbemaNews担当局長らが登壇した。メディアの信頼回復に向け、記事の読まれ方を解析するツールを生かしニュース判断の参考にする試みや、ファクトチェック強化を対策として挙げた。ニュースの出所を明示し読者、視聴者側が検証可能にすることが有効だとの意見も出された。

 コーディネーターを務めたジャーナリストの池上彰氏は「メディアの情勢調査と異なる結果が出た米大統領選に象徴されるように、メディアは信頼を失いつつある」と問題を提起した。評論家の荻上チキ氏も「報道する側が恣意(しい)的にニュースを選び、都合の良い解釈で報道している面がないか」と指摘した。

 これに対し朝日・中村氏は「そのような意識はない。物事の本質が見えるかどうかの判断基準で報道している。ただし、欠けている視点があれば検証していきたい」と述べた。その上で、現在はインターネット上の記事の読まれ方をつかむ解析ツールを活用し「読者の反応もニュース判断の参考にしている」と話した。

 一方、テレ朝の小木氏は編集を加えず視聴者にニュースを届ける試みとしてAbema(アベマ)TVのニュースチャンネルを挙げた。注目度が高い記者会見などを生中継する。視聴者がコメントを書き込むこともできる。小木氏は「ライブ映像をそのまま流し、視聴者同士で反応を共有する手法が高い評価を得ている」と話した。

 これに対し荻上氏は「報道する側が発言内容を検証しなければ、誤った情報が広がる恐れがある」と懸念を示した。生中継や速報などの「ファストニュース」と、確認取材や検証を経て報じる「スローニュース」をメディア側が使い分けることが必要だと提起した。

 朝日・中村氏は、政治家の発言を検証するファクトチェックの取り組みを今後広げていく考えを示した。池上氏はこれに加え「記事に情報の出所を示し、読者が内容を検証できるようにすることも、報道の信頼向上につながるのではないか」と述べた。

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