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報道が災害の風化防ぐ 蒲島熊本知事 備え促す役割に期待《福岡で論説責任者懇》

 新聞協会論説責任者懇談会が6月2日、福岡市のホテルオークラ福岡で開かれた。蒲島郁夫熊本県知事、吉岡斉九大院教授の講演を聞き、意見交換した。蒲島知事は熊本地震の風化を防ぐことを課題に挙げ、復興状況を定点的に伝えたり、自然災害への備えを促したりする報道機関の役割に期待すると述べた。東京の深田実取締役論説担当、西日本の井上裕之役員待遇論説委員長が議長を務めた。

 蒲島氏は地震後の復興政策について「被災者、県民の期待値は日を追うごとに増していった。素早い対応を重視した」と指摘した。発生直後に有識者会議を作り、会議の提言を受け8月に復興・復旧プランを発表するなど、矢継ぎ早の対応が現在までの復興につながったと振り返った。

 被災者は地震から1年が経過した今「風化を最も恐れている」という。今後は大規模災害を経験した自治体として「教訓を後世に、全世界に発信する責務がある」と述べた。

 報道機関に対しては「復興状況を定点的に取材し、発信してほしい」と要望した。いつどこで起きるか分からない自然災害に備えるには「国民の危機対応力を高めることが必要だ」と述べ、備蓄の重要性などを報じるメディアの役割に期待を寄せた。

 福島第一原発事故の政府事故調査・検証委員会委員を務めた吉岡氏は「『原発介護社会』からの脱却」と題し講演した。電力会社、原発設備メーカー、事故の影響による電気料金値上げ分を負担する国民の3者にとり、原発は重荷になっていると指摘した。事故発生後も原発には多額の費用が投じられてきたとし「国家による『重介護状態』にある」との見方を示した。

 立地自治体の経済的自立を図りつつ、脱原発を目指すべきだと述べた。電源三法交付金を廃止し、新産業を生み出すための補助金を時限交付する案を示した。

 続く意見交換では、論説やコラムへの署名、顔写真掲載について話し合った。

 新聞・通信・放送48社の論説・解説責任者ら49人が参加した。

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