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主体的な学びに新聞を 未来をひらくのは子供たち 《名古屋でNIE全国大会》

 第22回NIE全国大会は8月3、4の両日、名古屋国際会議場(名古屋市)で開かれた。新学習指導要領で打ち出された「主体的・対話的で深い学び」に資する新聞活用の在り方や、情報活用力を育むためのNIEと学校図書館の連携などをテーマに議論を交わした。新聞を使った効果的な実践手法を体系化し共有することが重要だとの意見が出された。

 開会式で新聞協会の白石興二郎会長(読売)は、NIEが提唱されて30年余りの間に「学力観が『知識を得る』ことから『得た知識をどう活用するか』に変わった」と述べた。偽ニュースやオルタナティブ・ファクトといった言葉が飛びかうようになった今、子供のメディアリテラシーを高めることもNIEの課題だとし「情報の真偽を見極める力を身に付けてほしい」と話した。

 NIEの普及をさらに進めるには新聞社の意識の変化も必要だと指摘した。「報道に携わる側が自らを律し、自らを磨き、正しい情報を伝え続けることが教育現場での新聞活用に結び付く」と述べた。

 大会スローガンは「新聞を開く 世界をひらく」。中日の大島宇一郎代表取締役社長は、小中学校の新学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」が求められていることを挙げ「スローガンの主語は子供たち。彼らが自ら学び、未来と世界をひらくために新聞が役に立つのであれば、この上ない社会貢献だ」とあいさつした。

 青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞を受賞した天野浩名古屋大教授は記念講演で「新聞は研究者の羅針盤」だと述べた。地球温暖化の影響に関する報道を例に「信頼のおける新聞記事を参考に、どう解決すればよいか考えるのが研究者の役目だ」と話した。青色LEDの開発秘話を紹介し、先入観を疑うことの大切さなども語った。

 「頭の知識 体の知識」と題した座談会には天野氏、小出宣昭中日新聞社顧問・主筆、女子レスリング五輪メダリストの吉田沙保里さんら6人が登壇した。
大会実行委員長の土屋武志愛知教育大教授が進行役を務めた。

 土屋氏がインターネットで情報を得る人の増加をどう考えるかと問い掛けると、小出氏は「ネットは『ところてんの箱』。箱から出る『ところてんの玉』は新聞社が握っている」と述べた。ネット上で読めるニュースの多くは新聞社が取材し、発信していると強調した。

 天野氏は新聞の良さについて「正確な情報を多様な見方で示してくれる」ことを挙げた。生徒代表として登壇した愛知県立時習館高校3年の鈴木杏奈さんは「紙の新聞はメモを書き込めるし、切り抜いて保管もできる。紙とネットの良さを上手く組み合わせて使いたい」と話した。

 大会は新聞協会主催、愛知県と名古屋市の両教育委員会の共催で開かれた。中日新聞社と愛知県NIE推進協議会が主管した。教員や新聞関係者など約2300人が参加した。

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