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事実と批判に向き合う 広島の新聞大会で決議

 第70回新聞大会が10月17日、広島市のグランドプリンスホテル広島で開かれた。新聞協会賞を5社5人に贈賞した。大会決議では「とりわけ大きな社会的責任を担う者が、事実や批判に向き合わなければ健全な民主主義は維持できない」とし、ジャーナリズムの公共的な使命を果たすことを誓った。研究座談会はフェイク(偽)ニュースのまん延にどう立ち向かうかをテーマに議論した。新聞協会会員社幹部ら522人が参加した。

 中国の岡谷義則代表取締役社長は開会あいさつで、無購読者の増加や配達の労務難に加え「インターネットでの著作権侵害やフェイクニュースの広がりなど新たな難問も出てきた」と指摘。新聞は危機に直面するたびに力を発揮してきたとし、大会の議論を通じ「健全な民主主義を育むには『やはり新聞』と言われる新聞作りの手掛かりを探りたい」と述べた。

 白石興二郎会長(読売)は情報流通路が変わる中「新聞は確かな取材で真実を国民に報じ、さらなる信頼を得る必要がある」とあいさつした。

 新聞協会賞は編集部門で西日本の金子渡、NHKの吉田好克、毎日東京の梅村直承、北日本の片桐秀夫の4氏、技術部門で朝日東京の寺出岳夫氏が受賞した。

 西日本は福岡市で起きた金塊盗難事件や愛知県警による捜査情報漏えい疑惑を特報。金子氏は、警察からの出入り禁止や他社との競争の中で「追い詰められるような重圧を感じながら報じた」と振り返った。事件にはまだ多くの謎が残っているとし「これからも粘り強く取材を続けたい」と語った。

 NHKは南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)を巡り、防衛省が破棄済みとしていた派遣部隊の日報が自衛隊内部に残っていたことを特報した。吉田氏は「権力のうそがまかり通れば国民主権がないがしろになる」との問題意識で取材に臨んだという。「民主主義の前提である『事実に基づく議論』は不安定なもの。報道界が受け継いできたものを今後も積み上げていきたい」と話した。

 毎日・梅村氏はリオデジャネイロ五輪・陸上男子400メートルリレーで、ウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)が並走するケンブリッジ飛鳥選手を驚きの表情で見る瞬間を捉えた。写真はSNSで拡散し、同社ニュースサイトでの閲覧数は1千万回を超えた。「新聞界とネット上の双方から高い評価を得た意義は大きい」と喜びを語った。

 北日本は富山市議の報酬引き上げや各地方議会に広がる政務活動費の不正受給問題を追い、連載で構造的要因を探った。一連のキャンペーンで1面に掲載した記事は187本に上る。片桐氏は「読者からの支援、共鳴があったからこそできた。地方議会再生に向けた報道に引き続き取り組みたい」と述べた。

 輪転機のゴムローラー再生技術を開発した朝日の寺出氏は「手掛かりのない状況から着手したが、関係者の熱意で実現した」と述べた。新聞製作の効率化や費用削減に応用できるアイデアを「今後も身近な技術から見つけたい」と意気込みを語った。

 このほかマツダの金井誠太会長が「マツダのクルマ造り~ロマンとソロバン」をテーマに記念講演した。

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