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[デジタルの挑戦 大阪でONAシンポ] FM和歌山、台風情報 AIで5時間 / テレビ大阪、VR 写り込み対策必要 

 デジタルメディアの国際団体オンライン・ニュース・アソシエーション(ONA)の日本支部・ONA Japanは10月30日、「デジタル時代のメディアの挑戦」と題したシンポジウムをグランフロント大阪・ナレッジキャピタル(大阪市)で開いた。関西でジャーナリストと技術者、研究者らの情報交換の場を作るのが狙い。衆院選の投開票と台風接近が重なった22日、人手不足の中で人工知能(AI)の読み上げによる気象情報を5時間放送したラジオ局の例や、360度映像を使った仮想現実(VR)動画活用の試みなどが報告された。

 和歌山市を拠点とするコミュニティーFM局・エフエム和歌山は台風21号が接近した22日、AIアナウンサー「ナナコ」による災害特別番組を放送した。避難情報などを5時間にわたり読み上げた。

 山口誠二クロスメディア局長によると、衆院選の投開票日と重なり人手不足の中、特番は情報収集役の1人とナナコだけで担った。これまで災害情報の放送は最低でも4人掛かりだったという。

 番組には断続的に開票速報を挟んだ。台風情報をメーンに伝えるメディアは少なく、聴取者から多くの反響があったという。山口氏は「ラジオは必要な情報がいつ流れるか分からないのが弱点。しかし今回はナナコを生かし災害情報を放送し続けた。聴取者のニーズに応えられたのではないか」と語った。

 テレビ大阪は昨年7月、大阪天神祭りを360度カメラで撮影した。これを基にVR映像を動画共有サイト・ユーチューブで生配信し、番組ウェブサイトでも公開した。

 西井正信メディア戦略部長は、視点や画角を切り替えない360度撮影は制作者の意図が入り込む余地が少ないと述べた。今後、画質が向上し一般人の顔が鮮明に見えるようになれば「写り込みへの配慮が必要になる」と指摘した。

 西井氏によると、人の顔を自動識別する技術を使えば出演許諾を得た人を残し他の人の顔はぼかすことができる。いずれこの技術を応用できるのではないかとの考えを示した。

 このほかスマートニュース社の藤村厚夫執行役員が講演した。ニュースも読み上げるAIスピーカーの登場で、情報摂取の手段はますます多様化したとし「『誰にどう届けるか』の意識が重要になる」と語った。

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