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通話せぬ若者の捕捉課題 国民投票見据え「誤差明示を」 世論調査協会シンポジウム

 朝日、読売、共同の世論調査部長らが11月10日、世論調査協会のシンポジウムに登壇した。携帯電話を持っていても通話に使わない若者の意識をどう捉えるかが近い将来の課題として挙がった。憲法改正を問う国民投票が実施されれば、事前の世論調査結果が投票行動に及ぼす影響は大きいことから、統計上の誤差を明示しミスリードを防ぐことが必要だとの指摘があった。

 討議のテーマは「世論調査の現状~携帯・固定ミックスRDDを総括する」。同志社大東京サテライトキャンパス(東京都中央区)で開かれた。

 固定電話対象の従来の調査では携帯電話しか持たない若年層の回答が集まりにくくなっている。2016年4月の読売を皮切りに朝日、共同、NHK、毎日が併用調査に切り替えた。

 朝日の前田直人世論調査部長は「調査の信頼感向上につながった。結果を基に若年層の傾向の分析記事も書けるようになった」と述べた。各社とも併用調査の手応えを語る一方、携帯電話を持っていても通話する習慣がない若者の捕捉を課題に挙げた。「電話調査が成り立たなくなるのは遠い将来ではない」。共同の池田健夫総合選挙センター長は危機感を強調した。

 東大の前田幸男教授は、抽出調査には誤差が必ずあるとし、結果を正確に伝えるには振れ幅を明記すべきだと提起した。米国では誤差の範囲を掲載するメディアもあるという。

 池田氏は、憲法改正を問う国民投票の事前調査ではミスリードの防止が課題だと述べた。調査結果が投票行動に及ぼす影響は大きいとし「誤差率の明示は真剣に検討しなければならない」と述べた。

 中央大の宮野勝教授も誤差率の明示に賛同した。学生は世論調査について「メディアが操作していると思い込んでおり、信用していない」とも述べ、統計学上の根拠に基づく世論調査の公正さを訴えるべきだとした。

 読売の鳥山忠志世論調査部長は紙面で調査手法を詳しく解説していることなどを紹介した。「『正しくやっている』と説明しなければならない時代になった」と話した。

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