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取材地特定にSNS解析を 放送機器展シンポ AIと災害報道で議論

 災害時にSNS解析から被害状況をつかみ、初動に生かせるか―。国際放送機器展(電子情報技術産業協会主催、千葉市・幕張メッセ)のシンポジウムで11月17日、NHK、テレビユー福島の担当者らが災害報道での人工知能(AI)活用をテーマに話し合った。被災地に応援に入る際、優先して取材する地域の特定にSNS解析を生かしたいとの意見が出た。

 放送各局でツイッターなどの投稿から事件・事故の端緒を抽出するAIの導入が進む。日本IBM東京ソフトウェア開発研究所の村上明子氏は「ツイッターの分析は被災者の悩みや感情を知る上で有用だ」と指摘した。

 昨年の熊本地震では井戸水が濁り、生活用水が不足した。熊本市は地下水が豊かで、行政は水不足に陥る可能性は低いとみて対応が遅れたという。しかしツイッターには「『井戸水が濁った』との書き込みが多数あった」と村上氏。いち早く察知していれば初動に生かせただろうと述べた。

 不要な物資が被災地に届く問題も、被災者や自治体の投稿からニーズを探れば防げると提起した。ただし、記者やボランティアが現地で確かめ「何が必要かを正確に報じることが重要だ」と指摘した。

 テレビユー福島の桶田敦報道制作局専門局長は、広域災害発生時の初動について「他の地域から応援に入る取材陣をどこに向かわせるかが、その後の報道を決める」と述べた。現地の報道機関が被災すれば状況が十分につかめない恐れもあるとし「優先して取材すべき地域の絞り込みにSNS分析を活用したいと考えている」と話した。

 NHK放送技術研究所の後藤淳上級研究員は、国土交通省が公開する河川の水位データを元にした原稿作成支援システムを紹介した。

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