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国民投票とメディア CM禁止期間の報道肝要 情報の真偽検証を 桐蔭法科大院・福井氏が講演 マス倫研究会

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の第15期第6回「メディアと法」研究会が11月28日、新聞協会会議室で開かれた。桐蔭法科大院の福井康佐教授が「国民投票におけるメディアの役割と規制」をテーマに講演。国民投票法にはテレビ・ラジオCMの規制以外に運動に関する広報の規制がなく、不確かな情報が出回る恐れがあると指摘。メディアには怪しい情報の検証と多角的な報道を期待すると述べた。

 憲法改正の手続きを定めた国民投票法は、投票日の2週間前から運動のための有料テレビ・ラジオCMを禁じる。福井氏は欧州各国の国民投票で、3分の1から4分の1の有権者が投票日前の1週間で賛否を決めたとの研究を紹介。「この期間の意見広告禁止は投票者の意見形成に重要な影響を与える」とみる。

 報道の役割は有権者の情報不足を解消することだと述べた。論点や改正の影響、各政党・支援団体の立場、外国の動向などに関する多角的な報道を要望した。

 国民投票法はポスターやダイレクトメールなどの印刷物や、インターネットでの広報について規制がない。EU離脱か残留かを問う英の国民投票では、賛成派が「政府は毎週3億5千万ポンドをEUに拠出している」「残留すれば新たに加盟するトルコから移民が押し寄せる」といった不正確な情報を宣伝し、結果に影響を与えたとされる。日本でも不確かな情報が出回る恐れもあるとし「メディアの検証が重要。熟議への誘導が求められる」と語った。

 発議後に設置される国民投票広報協議会は、公報を作成するほか、新聞広告やテレビCMを出稿する。協議会の構成は衆参の国会議員各10人。条文は「広報を客観的・中立的に行う」と規定する。

 メンバーは議席数に応じて選ばれる。福井氏は広報が改正賛成に偏りかねないと指摘。「これを警告するのもメディアの役割だ」と述べた。

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