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広告主と組み課題解決 配信先への最適化必須 東洋経済セミナーでネット媒体編集長

 バズフィードやハフポストなどネットメディアの編集長が12月11日、東洋経済オンライン主催のセミナーで来年の展望を討議した。プラットフォームの特性に合わせ動画や記事、写真を臨機応変に配信することが収入多角化に欠かせないとの意見が出た。ハフポストは広告主と共同で社会の課題解決に取り組む方針を説明。報道の中立性を担保するため論点提示にとどめるべきだとの声もあった。

 セミナーは東京コンファレンスセンター品川(東京都港区)で開かれた。バズフィードは今年、ツイッターでの動画配信を強化した。古田大輔創刊編集長は初めて生配信した衆院選前の与野党党首の街頭演説が7万人の視聴者を獲得したと紹介。動画を投稿文や写真とともにサイトに再掲したという。「動画もテキストも『どちらが先』とは考えていない」と語った。

 古田氏はラインなどでもそれぞれ編集を工夫していると述べた。来年以降、動画とライブ配信の拡大で「ネットの生態系が複雑化する」とし、配信先に合わせた編集は欠かせなくなるとみる。「収入の多角化には、コンテンツをどういう形式で、どのプラットフォームに届けるかの判断がより重要になる」と話した。

 ハフポスト日本版の竹下隆一郎編集長も、現在のネット上で最も強い力を持っているのはプラットフォームだと説いた。記事の表示順などに関するプラットフォーム側の方針変更をいち早く知ることが重要だとし、米国版はその点に注力していると紹介した。

 日本版では「ニュースを追うことよりも、論点を設定することを目指してきた」と振り返った。同性カップルや里親制度などを取り上げた「家族のかたち」や、性犯罪を扱った企画「Break the Silence」を例に挙げた。編集者の問題意識や関心事を出発点に企画を立てたという。「身近な問題を掘り下げ、一人称で書くと読者は付いてくる」と語った。

 特定の問題に関心を持つ層のコミュニティーは、広告の訴求対象としても魅力だと説明。来年以降、企業と共同で編集部を作り、記事やネイティブ広告、イベントなどを展開するという。「広告主と共に社会の課題を解決したい」と語った。

 モデレーターを務めた東洋経済オンラインの山田俊浩編集長は「課題解決と中立性の担保は難しい課題だ。踏み込みすぎないよう自社では課題提示にとどめている」と提起した。竹下氏は「葛藤はあるが、覚悟を決めて取り組む」と応じた。

 竹下氏は読者はプラットフォームを通じて多様なニュースに接しているとし「ネット全体で中立性を考える時代になっているのではないか。利用者の判断を信じている」と述べた。バズフィードの古田氏は「既に成果を出している解決策を報じることで、社会に貢献することもできる」と指摘。中立性の担保と課題解決は両立できると語った。

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