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《NIBセミナー》読者獲得が共通の課題 購読家庭の若手社会人が鍵 新聞3社が講演

 新聞協会は12月12日、NIBセミナーを事務局会議室で開いた。社会人向けの講座に取り組む新聞3社が講演。講座を読者獲得に結び付けることが共通の課題に挙がった。受講者には実家暮らしで親が新聞を取っている若手社会人が多いことから、この層に新聞の魅力を伝えることが必要だとの指摘があった。

 読売東京の吉山隆晴教育ネットワーク事務局次長は、企業・大学向けの研修事業「新聞のちから」を紹介した。受講者には3~6か月新聞を購読してもらい、この間に講座を複数回開く。文章の書き方講座は特に好評で「主語と述語の関係など、基本的な内容が役立つと重宝される」と述べた。

 担当者同士で模擬講座を繰り返し、質の向上を図る。全ての担当者が質の高い講座を提供できる「平準化」が重要だと指摘した。  

 北海道は11月に未就学児と親、学生、社会人までを対象に購読者拡大を図る「次世代対策委員会」を作った。「社内の人材を生かすとともに、各部署に当事者意識を持ってもらう」(竹石孝事務局長)ため社内横断組織とした。  

 「情報収集力と雑談力の向上」を売りに、入社5年目までを主な対象とした講座に力を入れる方針。実績が豊富な就職活動生向け講座の経験を生かす。  

 企業向けの出前授業は昨年から本格化。「1度講座を受けた企業は、自社に必要な内容がつかめる。2年目以降は先方の要望に応じたアレンジもできるため、より効果が上がる」と話した。  

 中国の松本剛志営業推進チーム担当部長は2016年に始めた企業対象の若手社会人向けビジネス講座について解説した。参加者は4月から3か月間新聞を購読する。4月に「地域経済面の読み方」「文章力アップ」などのテーマで研修を受ける。6月の研修では読んで仕事に役立った事例を報告し合う。  

 各社とも講座は好評だという。いかに購読につなげるかという課題も共通する。松本氏は「研修後、押しつけにならない範囲で購読継続をお願いしている」と話す。ただし「購読の壁は高い」とも。  

 竹石氏は企業向け講座の本格展開に当たり「NIEとの線引きを意識した」。教育での新聞活用推進を目的とするNIEは営業活動とは距離を取っているとし、受講者に購読を促す狙いもあるNIBとは窓口を分けたと述べた。「継続して講座を受けてもらうことで、企業側が購読の呼び掛けに理解を示す場合もある」と話した。  

 北海道の講座は、実家暮らしで親が新聞を取っている受講者が多いという。「彼らに新聞の良さを知ってもらうことが無購読対策の手掛かりになるのではないか」と提起した。  

 43社93人が参加した。

文書術 広告局が協力 情報感度磨き「雑談力」

 参加者からは「記事は書き慣れているが、ビジネス文書の書き方はどう教えたら良いのか」と質問が出た。「ビジネス経験が豊富な広告局の社員に協力を求めている」と中国・松本氏。研修では架空の商品発送トラブルへの対処について報告書を書く課題を出しているという。  

 「雑談力」を身に付ける講座内容の詳細を尋ねられた読売東京・吉山氏は「情報感度を高めることの大切さを伝えている」と述べた。講座では新聞記事と自分の仕事の関係を考える課題を出していると話した。  

 大半の受講者がもっぱらインターネットから情報を得る中、新聞との使い分けについてどう伝えればよいかとの質問も。吉山氏は「ネットは否定せず『新聞も大切』と伝えている」と答えた。両者の良さを踏まえ「新聞を読めば視野も広がり、ネット情報の見方も深くなる」と訴えているという。  

 このほか神戸新聞社のNIB出前授業を研修に取り入れる分譲マンション大手・和田興産(神戸市)の和田剛直専務取締役が講演した。グロービス経営大学院の竹内秀太郎教授は魅力的な研修プログラム作りについて話した。

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