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「事実上の表現規制」 千葉の雑誌対策で山口弁護士 マス倫研究会

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の「メディアと法」研究会が1月25日、新聞協会会議室で開かれた。「販売・流通規制と表現の自由」をテーマに山口貴士弁護士が講演した。成人向け雑誌の表紙をフィルムで隠す提案を端緒に、ミニストップ(千葉市)に成人誌撤収を決断させた千葉市の動きについて「公的な手続きを経ない事実上の権力行使による表現規制だ」と警鐘を鳴らした。条例による規制と異なり、報道機関や市民の監視の目が届かないことが問題だと述べた。

 千葉市の提案はコンビニ各社から「負担増につながる」などの声が上がり実現しなかった。しかしこれを機にミニストップは昨年11月、成人向け雑誌の販売をやめると発表した。発表会見は千葉市庁舎で開かれ、熊谷俊人市長が同席。市長は「自主的な営業判断で、行政による表現規制ではない」などと説明している。

 山口氏は一連の経緯について、条例制定や審議会による不健全指定など公的な手続きを取っていないことが問題だと指摘。「議論の場が奪われ、市民の声が反映されていない。実質的な権力行使にもかかわらず、千葉市が責任を負わない措置になっている」と述べた。

 事業者による「私的検閲」は憲法が禁止する検閲に当たらず、営業の自由もあることから「反対する論理を組み立てることが喫緊の課題だ」とみる。電子コミックの配信プラットフォームが不透明で不合理な自主基準により、アダルト作品の販売を突然やめる例などもあるとし、過度な自主規制の広がりに懸念を示した。

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