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デジタル収益化へ新機軸 新聞各社

 デジタル発信の収益化を図る新たな動きが相次ぐ。西日本は記事の反響に応じ報酬が支払われる新興SNSへの記事配信を始めた。神奈川と沖タイは、定期購読者に相手方の電子版を優待価格で提供する「相乗り」で読者獲得を図る。高知は家族内で同時にアクセスできる電子版を開設。現読世帯からの新たな収益源と位置付ける。

記事の反響に応じ報酬 新興SNSで発信 西日本

 西日本は2月27日、米国発の新興SNS「スティーミット」に参加すると発表した。調査報道企画「あなたの特命取材班」などの記事を日本語、英語、韓国語で配信する。広告や購読料収入以外の収益確保に向けた実証実験と位置付ける。

 スティーミットでは利用者からの評価に応じ、記事の投稿者に仮想通貨と交換できるポイント「トークン」が報酬として与えられる。評価やコメントを書き込んだ読者にもこのポイントが付く。

 西日本の記事によると、スティーミットには米国や韓国などで70万人以上が登録している。日本語の記事も投稿されているという。

 西日本は27日付朝刊で「インターネットの普及でフェイクニュースや無断転載した記事が飛び交う中、良質なジャーナリズムを維持するための実験と位置付けている」と説明した。

電子版で相互乗り入れ 神奈川と沖タイ

 神奈川と沖タイは3月1日、それぞれの定期購読者にもう一方の電子版を優待価格で提供する新たな料金体系を設けた。神奈川は県内に住む沖縄出身者の取り込みを狙う。沖タイは電子版の購読者増を目指す。米軍基地問題などを扱った記事の交換を機に提携した。

 購読料に加え月1080円(税込み)で相手方の電子版が読める。神奈川デジタルビジネス局の熊谷太郎氏は「県内には沖縄出身者が多い。新聞を読むきっかけを作りたい」と話す。県外で電子版の販路拡大を模索していた沖タイの伊波周夫東京支社営業部副部長は「好評であれば他地域でも取り組みたい」と述べた。

有料電子版開始 高知

 高知が1日に始めた有料電子版「高知新聞プラス」は現読世帯からの新たな収益を見込む。月額利用料は本紙購読料プラス864円(税込み)。一つのアカウントで3人まで同時にアクセスできる。

 松井直人メディア開発部長によると、いずれ過疎地への配達が難しくなった場合の電子版活用も想定しているという。災害時のニュース発信にも力を発揮するとみる。「想定される南海トラフ地震などで印刷体制が万全でなくなっても、電子版ならページ数を減らさずに済む。いかなる時も県民に情報を届けられる基盤を固めたい」と話した。

 当初2か月間は無料とし、5月から課金する。スマートフォンアプリやパソコンのブラウザで閲覧できる。電子版ではおくやみ情報を紙面掲載に先駆けて前日に配信する。また、人工知能が読み上げるニュースを1日10本配信する。県の闇融資疑惑を追及した「黒い陽炎」など反響を呼んだ過去の連載記事も掲載する。

 有料電子版の開始に伴い、ニュースサイトも刷新した。掲載記事を増やす一方、閲覧本数の制限を設けた。本紙読者は月20本、無料会員は月10本まで読める。

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