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公文書は歴史の証人 英の保存・公開例を解説 ニュースパークで小林恭子氏講演

 在英ジャーナリスト・小林恭子氏が3月25日、ニュースパーク(新聞博物館)で講演した。新著『英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱』(中公新書ラクレ)の刊行に合わせた企画。英公文書館には政策決定の過程を示す詳細な記録が残っており「自国史を分析する上で強みになっている」と話した。

 小林氏が「近現代史で最も重要な文書の一つ」として紹介したのは、1944年10月にチャーチル英首相とソ連のスターリン書記長が交わした第2次世界大戦後のバルカン半島諸国の分割案を記したメモ。ルーマニアやギリシャなど5か国の支配権を英露などでどう分けるかが示されている。モスクワでの会談でチャーチルが手書きしたとされ、スターリンの「合意」を示す印もある。

 公文書の閲覧は無料。小林氏はこのメモが「ファイルに無造作に入っていた」ことに驚いたとしつつ「歴史を左右した文書の実物を見られるありがたさを感じた」と話した。公文書は素手で触れたり、スマートフォンで撮影したりもできるという。

 公文書館には合意後に米国に宛てた電報や英外務省への報告書などもある。小林氏はこうした詳細な記録が残されるのは「歴史の1コマを刻む文書の蓄積が自国の歩みを分析する上で強みになることを、官僚が伝統的に理解しているからではないか」と述べた。

 86人が聴講した。

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