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文書「不存在」を疑え 長野県短大瀬畑准教授 公文書管理で講演 マス倫月例会

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の月例会が4月11日、新聞協会会議室で開かれた。長野県短大の瀬畑源准教授が公文書管理の実態とメディアの役割をテーマに講演した。日本の官僚は「政策決定の過程を記録に残す意識が乏しい」と指摘。その背景には明治期以来の根強い官僚文化があるとの見方を示した。報道機関には「文書が存在しないことを疑問視する姿勢が求められる」と語った。

 官僚は責任の所在と業務の根拠を示す決裁文書は重く見るものの、意思決定の過程を示す文書は軽んじる傾向があると指摘した。文書を残すべきかどうかの基準が「自分にとって有用か否か」になっているとし、この意識は明治期から積み重なってきたものだと述べた。

 2001年に情報公開法が施行されてからも、都合の悪い文書については「不存在」と答える事態が慣例化したため、公文書管理法が11年に施行された。しかし「組織的に用いるもの」とした行政文書の定義を狭く捉え、「私的メモ」として処理する事態は続いているという。

 記者に対しては「文書が存在しないのはおかしい、と問わなければいけない」と要望した。情報公開請求と関係者への裏取り取材を併用し、行政をチェックすべきだと述べた。

 自衛隊の日報隠しや森友・加計学園問題を巡る安倍政権の対応については「プロセスを徹底的に公開せず、口頭で済ませようとする姿勢が問題の長期化を招いている」と指摘した。文書を適切に残していないために「自らの『正しさ』も証明できず、信用を損ねる事態になったのではないか」と述べた。

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