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放送の役割低下を危惧 規制改革会議の論点に見解 新聞協会

 新聞協会メディア開発委員会は4月16日、内閣府の規制改革推進会議が示した放送・通信の融合に関する論点に対する見解を公表した。放送の自律や政治的公平を定めた放送法の規定の必要性が俎上(そじょう)に上ったことから、論点は「実質的にNHKのみを放送事業者として放送の社会的役割を低下させ、ひいては国民の利益を損なう危険がある」と指摘。議論の方向性を抜本修正するよう求めた。

 推進会議は放送と通信の融合について「ビジネスモデルの方向性を検討する」との方針を示した。メディア開発委はこれに対し、表現の自由の確保や民主主義の発展に放送が果たしてきた役割や、放送法の根幹をなす「多元性・多様性・地域性」の原則を軽んじていると訴えた。産業振興による成長戦略とメディアの在り方に関する議論を混在させたことが問題だとした。

 仮に放送・通信の法体系を一本化し、放送局に「政治的公平」「報道は事実をまげない」などの義務を課した放送法4条を撤廃すれば、政治的に偏った放送局や、事実に基づかない「偽ニュース」などが増加しかねず、「国民生活に悪影響を及ぼす恐れがある」と指摘した。

 放送への新規参入を促すため、電波送出設備(ハード)の設置と番組制作(ソフト)の担い手を分離することにも疑問を呈した。「災害時の円滑な情報提供を妨げ、国民生活に支障が出かねない」と訴えた。ハード・ソフトの一体経営は私企業の選択に基づいており、法律で強制的に変えることは不当だとも述べた。

 議決権の20%以上を外国法人などが持つことを禁じる放送法93条撤廃の可能性にも触れ、「外国企業が母国に有利な情報発信をする恐れがある」と指摘。国民の安全保障の観点から悪影響が生じかねないと述べた。

放送法4条に触れず 放送・通信融合で論点公表 規制改革推進会議

 内閣府の規制改革推進会議(座長=大田弘子政策研究大学院大教授)は4月16日、放送・通信の融合に関する今後の検討の論点を公表した。インターネット配信技術が進む中で、放送と通信の垣根を超え、コンテンツの魅力や国際競争力を高めることが必要だとした。報道されていた放送法4条の見直しについては言及しなかった。

 推進会議が集約した論点は「放送と通信の融合におけるビジネスモデル展開の方向性」「良質なコンテンツの提供と国際展開」「電波の有効活用に向けた制度」の三つ。会議後の会見で大田座長は「放送事業者に競争力を持たせる支援策が要る」と述べた。議論は「日本のコンテンツ産業の力を高める機会になる」との安倍晋三首相の発言も報告した。

 記者からは「これまで報道されていたように、放送法4条の撤廃についても議論するのか」との質問が相次いだ。原英史委員(政策工房代表取締役社長)は「何を議論するかは未定。幅広く議論していきたい」と述べた。6月中に改革案をまとめ、安倍首相に答申するとしている。

経営に影響も 民放連

 民放連は4月16日、規制改革推進会議が公表した論点について「方向性によっては民放事業者の経営に重大な影響が及びかねない」とのコメントを出した。放送の公共的役割をないがしろにする政策は「決して国民・視聴者の利益にならない」と指摘。幅広く意見を聞き議論するよう推進会議に要望した。

「通信と放送の融合の下での放送のあり方」に対する見解

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