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朝日・読売が協力 東洋大で新聞活用教育

 東洋大社会学部(東京都文京区)のメディアコミュニケーション学科は今年度から朝日、読売との共同教育事業「新聞活用プロジェクト」に取り組んでいる。4月24日、両社の担当者が学科の1年生約150人を前に講義した。朝日教育総合本部教育事業部の鹿島啓司ディレクターが、見出しを眺めれば社会のさまざまな側面が分かり、関心の幅も広がる新聞は「新しいことを知るための格好の教科書だ」と話した。

 この日の朝日朝刊の1面トップは「米『核廃絶まで圧力』」との見出しの記事。読売は「5000万人診療情報集約」とのニュースをトップに据えた。鹿島氏は、新聞社によりニュースの価値判断が異なるため、こうした違いが生まれると説明。複数紙を読み比べることで「世の中にはいろいろな見方がある」ことが分かると述べた。

 学生が5~6人ずつに分かれ、両紙から選んだ「いち押し記事」を持ち寄り、意見を集約して自分たちのテーマで新聞を編集し直す「まわしよみ新聞」も実施した。読売東京の教育ネットワーク事務局の岩本洋二専門委員の指導で、選んだ記事をくくる見出しを付けるなどした。

 斎藤慶大さん(1年)が編集長を務めた班は「隔たりの解決へ」と題した新聞を作った。男性の育児休業制度が充実しているスウェーデンの例や、正社員と契約社員の待遇格差の妥当性が争われた訴訟に関する読売の記事と、財務事務次官のセクハラ問題について識者に聞いた朝日の記事を使ってまとめた。斎藤さんは「このような現代社会の問題は考え方の違い、いわば『隔たり』によって生まれたのではないか」と述べた。

学生宅に両紙 半年ずつ提供

 朝日と読売が連携し大学教育を支援するのは初めて。東洋大の新聞プロジェクトについて、朝日の桜井透教育総合本部長は「時に立場が異なる全国紙2社が協力することで、より高い教育効果が見込める。問題の解決策が一つではないことを知ってほしい」と話す。

 対象は社会学部メディアコミュニケーション学科の1年生157人。新聞を毎日手に取ってもらうため、学生の自宅に朝日、読売を半年ずつ届ける。購読料は大学が負担する。読売東京の貞広貴志教育ネットワーク事務局長は「新聞の教材としての価値を東洋大が認めてくれた」と語る。

 両社は現役の記者らを講師として派遣するほか、職場体験の機会も提供する。新聞社側に協力を呼び掛けた元朝日の薬師寺克行教授は「情報を集め、分析し活用する力を身に付けさせたい。こうした力は社会に出てからも必要だ」と話した。

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