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記者こそ聞ける話がある 被害者取材で毎日・川名氏 日本記者クラブで講演

 日本記者クラブは5月11日、被害者報道の研究会をプレスセンターホールで開いた。2004年に長崎県佐世保市で起きた小6女児殺害事件を取材した毎日東京社会部の川名壮志記者が、家族ぐるみで付き合いがあった被害者遺族の苦しみについて話を聞く葛藤や、被害者取材の意義について話した。「メディアは被害者にとって他人。だからこそ話せることがある。メディアが話を聞くことで被害者の気持ちを軽くできる」と語った。

 同級生にカッターナイフで切られ亡くなった女児は、当時の毎日新聞佐世保支局長・御手洗恭二さんの長女怜美さんだった。同じ支局で働き、御手洗さん一家と親しかった川名記者はその後も取材を続ける。怜美さんの兄は事件当時中学3年生。心情に配慮し、20歳になるのを待って取材を申し込んだ。

 取材に対し、兄は父を心配させまいと胸の奥にしまってきた思いを川名記者に吐き出した。「取材で踏み込んで聞いてくれたから、ようやく言葉にできた」と話していたという。

 日頃から親しく付き合っていた相手に取材者として向き合う際の心境について尋ねられると、川名記者は「悲しみに飲まれないよう、記事を書くことでかろうじて気持ちを保っていた」と振り返った。

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