1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 客観的な北朝鮮報道を 日本総研・田中氏が講演 《紙面審査懇》

客観的な北朝鮮報道を 日本総研・田中氏が講演 《紙面審査懇》

 新聞協会主催の第58回紙面審査全国懇談会が5月31日、事務局会議室で開かれ、日本総合研究所の田中均国際戦略研究所理事長が「北朝鮮問題の今―新聞報道に欲しい視点」と題し講演した。メディアに対し、国民を間違った方向に誘導しないよう、客観的事実に基づき報じてほしいと述べた。

 拉致被害者5人が2002年10月、北朝鮮から一時帰国した。田中氏は外務省アジア大洋州局長としてこの交渉に携わった。蓮池薫さんら5人は当初「一時帰国」として日本に戻った。その後、被害者らの要望もあり日本政府の判断で日本に留まることが決まった。

 田中氏によると、小泉純一郎首相(当時)は「『被害者らが留まりたいと言った』と報道されれば、北朝鮮に残る彼らの子供たちに危害が及ぶ可能性がある」として政府判断で在留させる意向を示した。これに対し田中氏は「日本に留めることは賛成だが、これまでに作ったルートでの外交はできなくなる」と応じたという。

 このやりとりを聞き付けたメディアが「拉致被害者が日本に留まることに反対している」とのニュアンスで報じたとし、国民から批判を浴びたと振り返った。自宅に発火物が仕掛けられたこともあったという。

 田中氏は「発言していないことを報じるのはメディアの使命ではない。趣旨をそしゃくして報道すべき内容を考えてほしい」と話した。

 討議では「実名・匿名報道の課題」をテーマに意見交換した。44社59人が参加した。

ページの先頭へ