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「時間との闘い」訴える 拉致被害者・曽我ひとみさん 家族の奔走を伝えて 《新潟で論説責任者懇》

 新聞協会の論説責任者懇談会が6月1日、新潟市のホテルオークラ新潟で開かれた。北朝鮮拉致被害者の曽我ひとみさんが講演し、米朝首脳会談を機に、拉致問題が解決に向け動き出すことを期待すると語った。被害者家族が高齢化する中、報道機関に対しては「解決のために奔走する家族がいることを伝え続けてほしい」と要望した。

 曽我氏は1978年、母親と共に北朝鮮へ拉致された。「失踪」とされていたが、2002年の日朝首脳会談で拉致被害者であることが判明。同年10月に帰国した。今年87歳になる母ミヨシさんの行方は分かっていない。

 4月、11年ぶりの南北朝鮮首脳会談が実現。今月12日には史上初の米朝首脳会談が予定される。曽我氏は北朝鮮の外交姿勢の変化に驚きつつも「他国に経済援助を求めないといけないほど、国内の体制や経済が打撃を受けているのではないか」とみる。米朝会談で拉致問題を話し合うよう期待すると語った。一方、日本政府には「あまりに動きがなく不安を覚える」と述べ、早急な日朝首脳会談の実現を求めた。

 北朝鮮では水や電気の供給が止まるのは日常茶飯事で、配給米には小石や虫が大量に混ざっていたという。曽我氏は「日本人は忍耐強いと言われるが、好きこのんで我慢したい人などいない。今日明日を生き抜くことに必死だった」と振り返った。劣悪な環境で暮らす被害者を一刻も早く救出してほしいと訴えた。

 曽我氏は被害者家族とともに署名活動や講演を続ける。しかし拉致から約40年がたち、帰国を待つ家族も高齢になった。「とにかく時間との闘いだ。被害者、家族の双方が元気なうちに解決することを切に願う」と述べた。報道機関には「拉致問題はいまだ解決していないこと、解決のために奔走する家族がいることを伝え続けてほしい」と話した。

 このほか経営共創基盤(東京都千代田区)の冨山和彦代表取締役最高経営責任者、新潟県柏崎市の桜井雅浩市長から話を聞いた。日経の原田亮介専務執行役員論説委員長、新潟の森沢真理執行役員論説編集委員室長が議長を務めた。42社44人が参加した。

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