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2007年12月
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日本新聞協会 地域貢献大賞、表彰式開く――ニュースパークで記念展も

* 相手国の立場で考え報道を――日韓編集セミナー
* 2007年度の写真記者協会賞――各地で決まる
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今月の話題>>>
第19回新聞製作技術展(JANPS2007)――多メディア対応機器を紹介
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日本新聞協会 地域貢献大賞、表彰式開く――ニュースパークで記念展も

 新聞協会が主催する地域貢献大賞の表彰式が11月21日、東京・内幸町のプレスセンターホールで行われた。大賞・特別賞・褒賞・奨励賞の各受賞者に表彰状と記念のメダルが贈られた。横浜市の新聞博物館(ニュースパーク)でも22日、同賞の創設を記念した企画展「地域に生きる 新聞販売所」展が始まった。第1回受賞者の活動を写真やパネルで紹介している。

 北村正任新聞協会会長は「販売所は長年地域社会のなかで、地道に活動を続けているものの、地域住民にあまり理解されていないのではないか」と指摘。「世間へのPRはやっとスタート地点に立ったところだ。来年も継続して、新聞だけが可能な地域貢献の在り方をPRしていきたい」と語った。

 大賞は、高知新聞社系統の販売所で組織する高新会婦人部「なでしこ会」の「『生命の基金』チャリティーバザー」。今年で20回目となるチャリティーバザーの売上金を地域医療などを支援する基金に寄付している。

 「なでしこ会」の中谷幸子(なかや・さちこ)会長は「若者の新聞離れが言われるなか、販売所には地域密着の活動が求められるようになった。今後も地域の視点を忘れず活動したい」と話した。

 また、特別賞を受賞した桑山利子(くわやま・としこ)(中日新聞安城今池町専売所)さんに表彰状と記念のメダルが授与された。桑山さんは1993年から新聞配達で得た収入をスリランカの若者支援のために寄付している(ブレチン11月参照)。

北村新聞協会会長(左)から大賞を授与される高新会婦人部「なでしこ会」会長・中谷幸子さん

販売所の活動まるごと紹介――ニュースパークで記念展開く

 企画展「地域に生きる 新聞販売所」は新聞販売所の現状を数字で示すほか、日常の仕事、地域貢献大賞の受賞者の活動を紹介。かつて販売所で使用されたホーロー看板や号外鈴も。新聞協会が主催する「はがきエッセーコンテスト」や「新聞配達に関する標語」の入選作など、写真・パネルも使い約280点を展示。各地の新聞販売所で発行されたミニコミ紙約40を閲読できるコーナーも設けた。12月24日まで。

相手国の立場で考え報道を――日韓編集セミナー

 第44回日韓編集セミナーが「両国における相手国報道の現状と課題」をテーマに、10月31日から11月3日までの日程で韓国・済州島とソウルで開催された。日本側訪問団は宇恵一郎(うえ・いちろう)読売新聞東京本社編集委員を団長に11社11人が参加、韓国側25社26人が迎えた。

 セミナーでは、日本側から共同通信社の平井久志(ひらい・ひさし)編集委員が、韓国側から中央日報の盧在賢(の・じぇひょん)論説委員が基調報告を行った。

 この中で平井氏は「かつて教科書問題が起きたときには、日本人お断りというレストランが出たり、タクシーの乗車拒否などがあったが、竹島問題が起きたときは、普通に日本人観光客が闊歩していた。韓流ブームの影響は大きい」と大衆文化の相互交流がナショナリズムの質を変えつつあると報告した。

 韓国側は「空虚な演繹法の韓国、狭量な帰納法の日本」と題した基調報告を行い、「日本の報道は、A=B、B=Cと事実を丹念に積み上げるが、肝心のA=Cという結論を報道しない。対して韓国の報道は、過去の問題はすべて日本が悪いという神聖不可侵な前提から報道がスタートしている」と両国の報道の特長を指摘、相手国の特長を知り相手の立場にも立たなくてはならないとした。

 4時間に及ぶ討議の最後に、議長の宇恵団長は「認識が遅れているのは自分たち(報道)の方ではないかと気づかせてくれたのは、子供たちであり妻たちであり一般の女性たちだった。記者には国籍はあるが国境などないのだから、背中の国旗を降ろして、分科会を設けるなどしてもっと幅広いテーマで論議していくことが必要だ」と総括した。


日韓の編集幹部36人が相手国報道について論議した(韓国・済州島のロッテホテルで)


2007年度の写真記者協会賞――各地で決まる

 全国各地区の写真記者協会で、協会賞授賞作品の発表が始まった。今号では北海道と関西の写真記者協会賞受賞作品を掲載する。今後、来年2月ごろまでに、東京、東北、中部、関西スポーツ、九州各地区の協会賞を順次、紹介していく。

北海道写真記者協会(加盟22社、会員89人)――ばんえい競馬の魅力伝える

 協会賞には共同通信社札幌支社の矢辺拓郎(やべ・たくろう)記者の6枚組み写真「がけっぷち ばんえい競馬、一転存続へ」(写真=共同通信社提供)が選ばれた。

 同作品は、廃止が決定的と見られるなか、06年12月に企業の支援を受け存続が決まった帯広市のばんえい競馬の魅力を伝えた。勝負にかける馬と、存続への関係者の思いを表現したことが評価された。

 矢辺記者は「早朝、氷点下での撮影だった。朝焼けの光が変化する瞬間をとりたかった」「北海道らしい泥臭いレースの存続を求める人たちがいることを伝えたかった」と話す。


写真=共同通信社提供

関西写真記者協会(加盟77社、会員1060人)

 新聞・通信の部では、読売新聞大阪本社中原正純(なかはら・まさずみ)記者の「歓声一転、恐怖の暴走」(写真=読売新聞大阪本社提供)が選ばれた。

 同作品は、今年5月の連休中に大阪・吹田市の遊園地「エキスポランド」で発生したジェットコースターの脱線事故直後の乗客の様子を伝えた。他紙を圧倒する速報性に加え、管理体制の甘さへの警鐘を込めた作品として評価された。

 中原記者は、受賞について「死者が出ているので素直に嬉しいとは言えない。写真を通し、二度とこういう事故が起きてほしくないとの願いを伝えたかった」「救助活動の妨げにならないよう配慮して距離を置き、500ミリの望遠レンズで撮影した」と語った。

 
写真=読売新聞大阪本社提供

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読者育成は先生の卵から――信州大学で講義

 信濃毎日新聞社の猪股征一(いのまた・せいいち)専務取締役が11月8日、信州大学で「新聞の特徴と社会的役割」をテーマに講義した(写真=信濃毎日新聞社提供)。同社が同大教育学部と連携して10月に開講した講座「新聞活用教育概論」の一環。

 猪俣氏は新聞社の役割を(1)ニュースの発信(2)人々をつなぐ広場の提供(3)文化・スポーツ事業を通じた人々の応援――の3つに整理。社会関係資本(social capital=相互利益のための調整と協力を容易にするネットワーク)の概念から、よりよい社会作りに向けた新聞の大切さを説いた。

 講座は新聞が社会で果たす役割やNIE授業の進め方を、教員を目指す学生に学んでもらうのが狙い。

 授業は長野県新聞活用教育(NIE)推進協議会会長も務める渋沢文隆(しぶさわ・ふみたか)信州大教授が担当する。10月には学生に信濃毎日新聞本社や印刷工場も見学してもらい、新聞への理解を深める機会を設けた。

 猪股氏は「受講生が教員になったとき、社会関係資本の構築に寄与する人材の育成に向け、授業で新聞を活用してほしい」と話した。

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第19回新聞製作技術展(JANPS2007)――多メディア対応機器を紹介

 新聞協会主催、日本新聞製作技術懇話会(CONPT)協賛の第19回新聞製作技術展(JANPS2007)が11月6日から4日間、「より速く、広く、きれいに――進化する新聞技術」をテーマに東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開かれ2万0295人が訪れた。新聞製作関連各社と新聞協会など過去最多の57社・団体が出展した。電子新聞や「モバイル組み版」など素材・組み版の最新システムが紹介されたほか、「4×1輪転機」も初めて実機が展示された。

 10月6日の開会式では主催者を代表して、北村正任新聞協会会長(毎日新聞社代表取締役社長)があいさつ。「多メディア展開を含め、記事情報をより速く、広範囲に、きれいに読者に届ける新聞技術の進化を実感してほしい」とのべた。

 情報系では、ウェブや電子新聞など多メディア展開への動きが注目を集めた。

 電子新聞は日本IBM、NEC、富士通などが展示。中国のメーカー方正(ほうせい)は、自動読み上げ機能なども備え動画広告にも対応する電子新聞や、同社が運営する中国の電子新聞ポータルサイトを紹介した。

 初めて出展した「CCI ヨーロッパ」は、素材を多メディアで利用できるシステム「NewsGate」を紹介。同システムは、欧米新聞社で導入が相次いでおり、日本語への対応は08年夏を目指している。

 組み版システムでは、東芝ソリューションが、モバイル組み版端末を出展。ノートパソコンを用い災害時でも、紙面データを印刷工場に送ることができる。PDFによる出力も可能で、NIEなどでの利用も見込む。

 印刷関連では今年、4×1輪転機などが注目を集めた。このほか、モニタープルーフ(ソフトプルーフシステム)も数多く出展された。

 4×1輪転機は、西研グラフィックスが実機を展示。三菱重工業なども紹介した。三菱製のものは日刊スポーツ印刷社の築地工場に納入され、09年3月から稼働する予定。

 ベルリナー判対応の印刷部も東京機械が展示した。韓国の中央日報社にアジアで初めて納入した。新聞用オンデマンド印刷も富士フイルムグラフィックシステムズが実機を展示したほか、コダックもパネルで紹介。面ごとに個人の要望に合わせた紙面や広告が製作できる。

 モニタープルーフは、サカタインクス、日本システム技術、富士通などが展示した。印刷紙面を降版とほぼ同時に原寸で表示し、濃度など色の調整ができる。各種プロファイルも選択でき、NSAC(Nihon Shimbun Ad Color=新聞カラー広告色見本プロファイル)にも対応。原寸で表示できるディスプレーも08年1月に発売される。

 新聞協会コーナーでは、NSACの普及に向け、実際に新聞に掲載されたトヨタ自動車のカラー広告の色見本をNSACで作成。これに基づき新聞9社の各工場で印刷した紙面を展示した。

 

JANPS2007−東京ビッグサイトで

 

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