1月15日付 駅やバス停の周辺をめぐる

京都「降りた まちには」

 人々を迎え、送り出す駅やバス停。その界わいで暮らす人々の営みや地域社会の今の姿をつづる連載が、2012年6月から京都府南部の地域版で続いている。

 第1回(6月12日付)は、太秦の撮影所にほど近い嵐電(京福電鉄)帷子ノ辻駅(京都市右京区)を取り上げた。1926年開業。同年、俳優の阪東妻三郎が開いた撮影所の周りには、商店や飲食店が並んだ。かつては時代劇の衣装を着た俳優が歩いた大映通り商店街。今は太秦での撮影が減り、俳優の姿は遠のいた。撮影所にパンを届けていたベーカリー・カフェ経営の男性は、「映画の街にあった『呼吸』がなくなった」と言う。それでも変わらず、毎朝7時に開店し、駅へ向かう通勤客らを笑顔で見送る。

 第16回(10月16日付)は、京都市バス「西本願寺前」(同下京区)。西本願寺の東側には、昔ながらの仏具店が軒を連ねる。袈裟(けさ)や金箔(きんぱく)工芸など伝統技術をもつ職人の工房も多い。観光客らを対象に掛け軸の制作体験教室を開く表具師の男性は、「私の使命は次世代に京の心と財産を引き継ぐこと」と話す。

 第21回(11月27日付)で取り上げたのは、京阪電鉄京津線の四宮駅(同山科区)。駅前の食堂「ふたば」の主人は、趣味の造形を生かし、諸羽神社にえとにちなむ作品の奉納を続けている。今年の巳もすでに納めた。「少しでもここを盛り上げたい」。主人が琵琶湖疎水に紅葉が映える景観の模型を完成させたニュースは、翌28日付市民版トップ記事にもつながった。

 連載は社会報道部の市民版担当と南部支社、京田辺・学研総局、洛西総局の記者が交代で執筆。吉岡清社会報道部長代理は、「若手記者が地域を知る良い機会になっている。今後も地域社会の姿を見つめていきたい」と話している。(福)

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