1月22日付 口蹄疫からの復興の励みに

宮崎日日「宮崎牛 連覇への道」

 5年に一度開催される和牛のオリンピック「全国和牛能力共進会(全共)」。昨年10月に開かれた長崎大会は、全国から選び抜かれた和牛が産地の威信を懸け競った。前回2007年大会で宮崎県勢は種牛、肉牛の両部門で内閣総理大臣賞(最高賞)に輝くなど全国を席巻。しかし、10年の口蹄(こうてい)疫被害で家畜30万頭を殺処分し、一転して存続の危機を迎えた。連載は悲しみを乗り越え、全共連覇に挑む人々を追った。

 第1部「和牛五輪と畜産王国」は和牛育成で後じんを拝してきた宮崎が、畜産王国としての地位を固めるまでの歴史をたどる。県外の優れた血統を取り込み、貪欲に改良を重ねた。第2部「プレイバック日本一」は07年大会とその後の口蹄疫禍を振り返る。第3部「挑戦者たち」は再起を目指す生産者たちに迫った。

 第4部「全共に懸ける」はライバル県の動向を追う。一時はスーパー種雄牛の登場で沸いた宮城は、東日本大震災の影響が今なお残る。鳥取は和牛王国復活を目標に掲げる。「鹿児島黒牛」で全国をリードしてきた鹿児島も復権を狙う。近江牛の産地・滋賀や米沢牛の山形、地元開催の長崎は枝肉価格の下落など苦境を乗り切るため手を尽くす。第5部「夢の舞台で」は長崎全共の裏方に焦点を当てた。

 前回の覇者でありながら、復興に挑む県勢にかかる重圧は大きい。その逆境をはねのけ、代表団は種牛の部で内閣総理大臣賞に輝いた。全共後の第6部「てっぺんの余韻」は連覇に沸く関係者のその後を追った。

 「どんな結果が出たとしても、頑張る姿を見せることで、復興の励みになるのではないか」(諌山尚人報道部次長)との思いから始まった連載は約4か月・全25回にわたった。終了後には、「連覇は連載のおかげ」と関係者から感謝の言葉が寄せられた。(夏)

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