5月28日付 世界遺産登録に備えて

静岡「富士山の課題」

 日本の象徴・富士山の世界遺産登録は、地元の静岡、山梨両県民にとって長年の悲願だった。文化庁は4月30日、国際記念物遺跡会議(イコモス)が富士山の世界遺産への登録を勧告したと発表した。「富士山の課題」は、静岡が5月2日付から朝刊で始めた全4回の緊急連載だ。

 静岡は夏に山梨日日と共に富士山臨時支局を設けるなど、富士山について積極的に報じてきた。その課題も日々扱ってきたが、連載ではイコモスの指摘にどう応えていくかに主眼を置き、①構成資産を含め全て登録②三保松原以外は登録③全て不登録―の3パターンを想定して準備を進めてきた。

 勧告は、三保松原の除外を要請。連載の第1回は「霊峰仰ぐ心通じず」との見出しで、三保松原を取り上げた。浮世絵で描かれた絶景は、地元住民の誇りだ。住民にとって勧告には疑問を拭い切れないが、一方で海岸の浸食を防ぐための消波ブロックが目立ち、松の枯死も進んでいる。単なる展望地点として解釈した勧告を受け、連載は「一体感の証明が鍵」と説く。

 第2回の主題は「急増する登山者対策」。ゴールデンウイークには、ニュースを聞いた多くの観光客が山を訪れた。気軽な登山客の増加が予想され、事故や環境破壊への対策は急務だ。

 第3回は「構成資産の認知度」、第4回は「外国人客受け入れ」。中島忠男政治部長は「富士山は文化遺産。せっかく外国人に来てもらっても、単に"フジヤマワンダフル"ではもったいない」と話す。富士山そのものに比べ、富士山本宮浅間大社など構成資産はあまり知られていない。「文化遺産としての価値を知ることで、山のゴミ問題などへの意識も高まる」と指摘した。

 中島部長がデスクを務め、政治部、富士宮支局、東京支社の計4記者が取材に当たった。(三)

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