8月13日付 独自アイデアや人の力に着目

日経大阪「関西Made」

 インスタントラーメン、自動改札機、引っ越し業―。関西で始まった商品やビジネスは数多い。一方、東京への一極集中が進み、関西の存在感は低下が指摘される。日経大阪編集局が連載で、さまざまな「関西生まれ」の今に迫る。

 阪急の小林一三に始まる沿線開発を軸としたビジネスモデルも、関西発祥だ。人口減少で先行きが不透明な中、第2部「私鉄王国はいま」で各社の行く末を探った。デスクを務めた磯道真編集委員は「ハードよりも、人の力などのソフトパワーに着目した」と語る。

 かつて各社がこぞって経営した遊園地も経営難で閉鎖が相次ぎ、今や残り少ないが、京阪の「ひらかたパーク」(大阪府枚方市)はユニークな企画で人気だ。阪急阪神グループによる宝塚歌劇団の台湾公演や、近鉄の観光特急「しまかぜ」など、各社は独自のアイデアで生き残りを図っている。

 三洋電機やシャープなど、関西家電メーカーは不振が目立つ。第5部「電機は負けへんで」では、元経営者やリストラされた技術者らへの取材を通じ、今後を占った。

 かつてパナソニックでエックス線検査機を研究していた技術者は、事業の「選択と集中は間違い」と断じる。切り捨てられた事業の研究者が立ち上げた会社は、6期連続の黒字だ。経済紙記者としてリストラはやむを得ないと見る一方、一律に正しいわけではないと感じたという磯道氏は、「関西らしいアイデアが、再生への鍵となるのでは」と期待を込める。

 そのほか、大阪生まれの日本維新の会や、野茂英雄投手など世界で活躍する関西人に焦点を当てた。7月からの第6部は、オペラ上演などで全国的に注目を集める兵庫県立芸術文化センターがテーマ。近畿経済面のほか電子版にも掲載する。連載は年内いっぱい続く。(三)

ページの先頭へ