1月 1日付 ワースト返上へ

四国「ほっとけない香川」

 気候は温暖、県民性も穏やかで暮らしやすい―。そんな香川県のイメージを覆す「ワースト指標」がいくつもある。人口当たり(以下同)で見ると、「自転車事故発生件数」「小中高校生が起こした暴力行為の件数」「糖尿病受療率」などで、常に上位に名前が挙がる。香川をむしばむ病巣に切り込み、課題を解決し、ワースト返上を目指す連載が、2012年元日から続いている。

 自転車所有台数全国8位の香川は、ここ数年、年間約2千件の自転車事故が発生しているワースト上位の常連県だ。ルールやマナーを守る規範意識の薄さが背景にあるという。第1部は、客足を維持するために自転車の乗り入れを認めざるを得ない商店街の苦悩や、高額化する自転車事故の損害賠償、専用道路の整備などを取り上げた。マナー向上を自覚することの大切さを呼び掛けた。

 第2部では、児童生徒が起こす暴力行為が全国ワースト上位となっている現状を受け、改善に取り組む教育現場の今を追った。県教委は10年から、県警OBらによる「スクールサポートチーム」を、問題のある学校に派遣している。二人一組で校内を巡回し、暴力行為などの問題行動を防ぐのが仕事だ。ソフトな接し方で、先生による生徒指導を支援するのが役目だという。ある中学の校長は「教師の言うことにはとりあえず従うという従来の価値観が通用しなくなっている」と現場の苦悩を語る。

 糖尿病や野菜摂取不足などの課題から、県民の生活習慣にも焦点を当てたほか、人間関係が希薄化するなか、葬儀の有り様などを通して「絆」について考えた。県外からの移住者から香川の良さを尋ね、郷土再生のヒントも探った。

 連載でキャップを務める広瀬大報道部記者は今後、「これまで扱った課題を再び取り上げ、対策などをフォローしたい」と話している。(福)

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