2月 4日付 変革前夜の生産現場を歩く

河北「農政激変 東北・揺れるコメ農家」

 政府は昨年11月、半世紀近く続いたコメの生産調整(減反)について、2018年度をめどに廃止する方針を決めた。国内農業の競争力強化の名の下に進む政策転換は、コメどころ東北に何をもたらすのか。報道部、栗原支局、酒田支局、秋田総局の記者が、変革前夜の生産現場を歩いた。

 政府の方針決定前後から、関係者らがどう受け止めているかを報じてきた。「生産現場はどのような悩みを抱え、どう動き出していくのか。実際に現場を訪ね、実態を伝えなければいけない」(報道部の佐藤崇県政取材班キャップ)との思いが、1月7日から朝刊1面で5回にわたる連載の出発点だ。

 政府は、減反参加農家への定額補助金を廃止する一方、農地集積による大規模経営への転換を後押しする新たな交付金制度を14年度から始める。連載初回で紹介した宮城県栗原市の農家の男性は、「土地は集まるだろうが、単位面積当たりの所得は減る。骨折り損になる」と、新制度への不安を口にする。大規模化で生産コストが下がっても、米価の下落幅がそれを上回れば所得向上につながらない。

 政府は、主食用米から飼料用米への生産転換を促す転作補助金を拡充する方針も示しているが、詳細な制度は未定だ。報道部の小木曽崇記者は、08年から既に飼料用米生産を始めている同県加美町の南永志田営農組合を訪ねた。主食用米100ヘクタール、大豆6ヘクタール、飼料用米14ヘクタールの計120ヘクタールを作付けする。試行錯誤を経て転作田を固定化。丹精込めて育て上げた田を転作に使うのは「痛ましい」と敬遠する生産者も多かったという。

 小木曽記者は「制度の詳細が分からず、多くの生産者は不安を抱いている。新制度が動き出せば、課題も浮かび上がってくる。農家の人々の話を聞き、変化をつぶさに伝えていく」と語った。(菅)

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