3月11日付 新幹線開業を見据えて

函館「再考 函館観光」

 湯の川温泉、函館山からの夜景、西部地区の街並み、五稜郭など、函館は観光資源の宝庫だ。しかし、景気低迷のほか、有珠山の噴火(2000年)といった外的要因もあり、函館を訪れる観光客は1998年度の539万人をピークに減少している。2月6日付から始まった年間企画で、2年後の北海道新幹線開業を見据え、あらためて函館の観光振興を考察する。

 連載を通じて地域を活性化させたいとの思いがある。全国で進む人口減と高齢化は地域経済力の低下や産業の衰退を招いており、こうした状況を観光によって打破しようとする自治体の間で、観光客誘致の綱引きが激化している。函館新聞は創刊した97年にも、「函館観光750万人への道」と題した企画を展開。函館市の姉妹都市であるカナダのハリファクス市の現状を紹介しながら、観光の将来や可能性について提言した。

 報道部の森裕次郎取材班キャップは「観光資源に恵まれているが、地元の人たちには当たり前すぎて、うまくPRができていない。移住してきた人たちの声も紹介しながら、あらためて函館の良さを考えたい」と話す。

 北海道新幹線が停車する新函館(仮称、北海道北斗市)は、1日あたり約1万人の利用が見込まれており、「観光の大きな起爆剤」と函館の観光関係者は声をそろえる。しかし、効果を一過性のもので終わらせないためには、集客に向けた継続的な取り組みが必要だ。2005年に世界遺産に登録された知床でさえ、観光客は年々減少しており、外国人観光客を集めるため、外国語の案内板を設置するなどの対策を講じている。

 4月下旬にスタートする2部は、新幹線開通を機に観光都市へ生まれ変わろうとする青森県八戸市などの事例を紹介していく。森氏は「函館との類似点や違いを的確に見つけ、提言につなげていきたい」と話している。(菅)

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