4月15日付 地元との接点を見いだす

北海道「極東」 

 ロシアのサハリン南部や中国東北部など「極東」と呼ばれる地域が、開発と経済発展で変わりつつある。1月3日から始まった連載は、エネルギー開発や暮らし、文化などの面から、極東と北海道のつながりを考察する。

 第1部はロシアのエネルギー開発と北海道の関わりを追った。相原秀起報道センター編集委員は、宗谷岬の北約150キロ、サハリン・アニワ湾沿いのプリゴロドノエにある液化天然ガス(LNG)基地を訪ねた。

 その夜景から地元で「小さなラスベガス」と呼ばれるLNG基地は、2009年に生産を開始した。寒冷地での土木技術を持つ道内企業が建設に協力、技術者同士の交流も生まれた。東日本大震災後には、日本向けにLNGを緊急増産した。「北海道との接点を知ることで、読者は極東を身近に感じる。どう接点を見いだすかを強く意識している」(相原氏)というように、国境を越えた日ロ協力の姿を浮かび上がらせた。

 中国は、北朝鮮との国境付近に位置する長白山の麓にスキーリゾートが開業するなど、スキーブームに沸く。第2部では、利用客の減少に悩む北海道のスキー場に中国の愛好家が足を延ばすといった好影響を期待する声を伝えた。「さっぽろ雪まつり」に刺激されて1985年に始まった黒龍江省ハルビン市の「氷雪祭り」なども取り上げた。

 編集委員のほか、ユジノサハリンスク、モスクワ、北京、ソウル支局の記者らで取材班を構成している。近藤浩報道センター社会グループデスクは「北方領土問題についても、四島だけでなく、もう少し広い視野でアプローチすることで解決につながるのではないか」と話す。

 間もなく始まる第3部は、極東の海をテーマに据える。各国の水産資源争奪戦を通じて、豊かな海の姿を浮き彫りにする。アムール川、北極海航路にも焦点を当てていく考えだ。(菅)

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