4月22日付 平時の姿を記録する

高知「高知県警 60年目の理想と実像」 

 現在の警察組織は、1954年施行の警察法で骨格が定まった。人生に例えれば還暦だ。60年を機に素顔の警察に迫る連載が1月8日から始まっている。

 「警察の平時の姿を記録に残したかった」と話すのは、連載を担当する竹内誠地域報道部長。警察組織をめぐる報道について、社会部で20年間警察を担当した経験から「最も密着している組織でありながら、不祥事を通じてしか伝えていない」と感じていたという。

 第1部は警察活動の最前線である交番の巡回連絡を追った。巡回は、民家などを戸別訪問し、家族構成や勤務先などを聞き取る業務だ。1992年の警察庁通達を受け、県警は「受け持ちを最低でも年1巡」を目標に掲げる。連載は、巡回に密着したほか、件数の虚偽報告問題を伝えた。問題の背景にあるのは、給与などに反映される「実績表」における巡回の点数配分の低さだ。県警独自の判断で変更できるが、実際は警察庁の指示に基づいている。こうした全国一律の内容の指示により、現場にひずみが生じている状況を浮き彫りにした。

 捜査現場では、自動車ナンバー読み取り装置であるNシステム、DNA鑑定、携帯電話の通話情報などの入手先であるNTTの「3N」の活用が進む。捜査手法が高度化する中で、若い刑事が街で人に会わなくなった。不祥事防止を目的にできた制度「飲酒届出票」も、コミュニケーションの妨げにつながっていると指摘した。

 竹内氏は、年内に施行される特定秘密保護法を受け、公安をはじめ警察組織がどのような変容を遂げるのか憂慮する。

 「10年、20年後、現在の警察組織がどうだったかを振り返る時に、資料的価値のある連載にしたい」と話す。今後は警察学校や公安委員会などをテーマに扱う。(福)

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