6月17日付 将来を描きにくい世の中で

茨城「『あした』探して 現代若者点描」 

 バブル崩壊から二十数年がたった。政治、経済、社会などさまざまな分野で価値観が揺らぎ、変化している。明確な将来像を描きにくい世の中で生まれ育った若者たちは、「あしたへの希望」をどう紡いできたのか。さまざまな切り口から、「いまどきの若者」とひとくくりにされる彼らの実像に迫る。1月から始まった連載は、5月17日に第3部を終えた。報道部、学芸部、水戸支社、土浦・つくば支社の記者7人と写真部1人が担当する。

 1部は就農や起業、音楽などで夢と現実のはざまに揺れる若者を追い、2部で若者の仕事への思いを通して働く意味を探った。母と同じ看護師になった女性やUターンして実家を継いだ男性など8人を紹介した。

 3部は「ゆとり世代」に迫った。「森ガール」や「草食男子」だけでなく、数学に夢中の高校生や、学校は当てにならないと塾での勉強に力を入れたと振り返る男性など、等身大の姿を切り取っている。

 夢を追って転職した先がブラック企業でハローワークに通っている、大学生活がうまくいかず体調を崩した、派遣切りで失業し労働組合と共に企業と戦っている……そんな若者たちも紹介した。川崎勉報道部デスクは「さまざまな社会の変化に影響されている若者たちを描くことで、今の社会を捉えたい」と話す。6月下旬からインターネットをテーマに4部を始める。8月には5部を連載する予定だ。

 取材班で一番若い、土浦・つくば支社の斉藤明成記者は27歳。取材対象と同世代だ。茨城県出身であることを生かし、昔の同級生などをたどって取材対象を探したという。「若者世代に負のイメージがあるとすれば、実態は違うと表現したい。かつて若者だった人たちにも、何かを考えてもらえるきっかけになれば」と話している。(さ)

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