6月24日付 地域経済への影響は

中国「マツダ世界戦略を追う」 

 広島県を代表する企業である自動車メーカー、マツダが海外展開を加速している。北米での販売台数4割増を目標に掲げて今年1月に稼働させたメキシコの新工場は、27年ぶりとなる海外メーカーとの合弁でない独自の国外生産拠点だ。2月から始まった連載は、マツダの世界戦略の転換が地域経済に与える影響を探った。経済部自動車担当の榎本直樹、河野揚両記者が主に担当し、メキシコ新工場、米国の巨大市場、成長著しい東南アジアで現地の生産体制を取材した。

 生産の海外へのシフトと国内工場の稼働維持は、表裏一体の課題だ。新戦略は国内の生産台数を維持したまま、北米での販売増加分を新工場で造るとしているが、昨年、生産台数の93%が輸出向けだった防府工場(山口県防府市)に納品している部品会社からは、生産の減少を懸念する声が聞かれる。しかし、そうした部品会社など1次、2次下請けメーカーの多くも、海外に進出しているのが現状だ。

 東南アジア市場を扱った第4部では、マレーシアやタイに進出した車体組み立て工場や部品会社に迫った。将来有望な市場である一方、人件費の高騰や政情不安などチャンスとリスクが混在する市場の難しさを描いた。特に各社の悩みの種は、大手からの熟練技術者の引き抜きが激化していることだ。

 第4部の掲載途中にタイで軍事クーデターが発生。急きょ電話で再取材し、現地企業の反応を連載に加えた。工業団地はバンコクから離れ、意外に冷静だったという。一方で広島からの出張を取りやめるなど、国内企業に影響が出た。藤原直樹経済部長は「企業が日々このような中で闘っているという雰囲気を伝えられた」と述べた。

 今後は欧州、中国、そして日本国内の自動車市場の現在を伝える。(夏)

ページの先頭へ