7月15日付 改革に揺れる教育現場

神戸「始動~公立高学区再編」 

 2002年の地方教育行政法改正以降、公立高校の学区編成が全国的に見直されている。兵庫県でも今の中学3年生の入試から、16学区から5学区へと制度を改革する。

 受験生やその保護者である読者には、志望校の選択肢が広がるとともに、難易度にどのような影響が出るのか、目の前の問題として関心が高い。それとともに、改革がより良い教育に結びつくのかという大きな問題がある。連載を統括する田中伸明・社会部デスク兼編集委員は「県教委の意図が見えにくい。せっかく良い取り組みをしているのに、交通不便などの悪条件のために学校が淘汰(とうた)される恐れがある」と話す。たとえ学力格差を生んででも、進学実績が特に高い学校を作りだそうとしているとの指摘もあるという。

 そうした問題意識の下、改革に対応する教育現場の現状を丹念に伝えている。6月5日から展開した第1部(5回)は、進路指導のために蓄積している合否データを他校と共有することに対する中学校の警戒感や、攻勢を強める塾の姿など、生徒を送り出す側の交錯する思惑を描いた。

 7月9日からの第2部(5回)は、高校側の特色づくりを報じた。通常紙面や地域面でも、各高校へのアンケート結果から、新制度への期待と懸念や、各校の取り組みを伝えている。連載は今後、受験生や保護者の見方を取り上げていく。

 田中デスクは、読者から「高校の校長が生徒集めのトップセールスをする実情や塾の攻勢に驚いた」などの声が寄せられていると話す。

 社会部の紺野大樹、武藤邦生両記者を中心に担当し、日曜日の連載「週刊まなびー」編集部とも連携している。紺野記者は「学校は取材に対して口が重いが、このテーマに2年間取り組み、本音を教えてくれる先生が増えた。『実情を丁寧に書いてくれた』と言われてうれしかった」と語った。(洋)

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