9月16日付 小規模農家の生活 守る道は

東奥「転機のコメ 県内 減反見直しの波紋」 

 今年度、国の新たな農業政策が始まった。中村一彦暮らし経済部長は、新政策が今後のコメづくりの分岐点になるとした上で「その基盤となる農家・集落にとっても転機だ。そこに住む人々の生活を守るという地域の視点から描くことを心掛けた」と語る。

 減反見直しを柱とし、農地を集約してコメの生産性向上を図る農地中間管理機構が創設された。交付金の減額などの影響により、高齢の小規模農家の間には、農業を続けられなくなるのではという不安が広がっている。

 農林水産省が5年ごとに実施している調査によると、10年時点で、青森県内の農業者の6割超が60歳以上、耕作地が2ヘクタール以下の小規模農家は7割に達していた。

 2月27日に始まった第1部「戸惑う現場」(8回)は、農家や農協、卸業者など、関係者の新たな農政に対する受け止めを紹介。4月29日からの第2部「中山間地域は今」(7回)で、農地集約の難しい中山間地域の集落の実情や生き残りにかける挑戦を追った。8月12日からの第3部「田を頼む」(5回)は、農地中間管理機構などによる農地の貸借の仕組みを整理し、いかに農地を引き継ぎ集落を守るかに焦点を当てた。

 連載に関連し、県内3か所の田んぼで田植えから収穫までを追う「『転機のコメ』県内定点リポート 田に立つ」を5月から10月にかけて月1回掲載。集落を守ろうと奮闘する農家らに密着している。

 高齢農家の多くは新政策について語りたがらない。約50人の農家に話を聞いた秋元宏宣記者は、本音を引き出すために農作業を手伝うところから始めた。行方知代記者は、大規模化を進めつつ小規模農家との共存を図る若い担い手の姿に期待を寄せ、「『自分たちだけが生き残れば良いという訳ではない』との言葉が印象的だった」と話した。(梛)

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