11月18日付 世界遺産登録を後押し

釧路「地域の宝 阿寒湖を世界遺産に」 

 北海道・阿寒湖はアイスランド・ミーヴァトン湖とともに、世界で2か所しかない球状マリモの群生地だ。近年、ミーヴァトン湖でマリモが激減していることから、阿寒湖のマリモの希少価値がさらに増している。釧路市は2013年4月に世界自然遺産登録推進本部を設置し、阿寒湖と周辺の湖沼群の登録に向け、啓発活動や学術的知見の集積などに尽力してきた。

 釧路新聞は年間キャンペーンで、阿寒湖の貴重な自然環境やその保護活動、他の世界遺産の現状などを全6部の連載で伝えている。高田薫編集制作局報道部副部長は「住民にとって周囲の自然は当たり前の存在だ。連載で取り上げることで、住民の環境保護への意識を高めることにつなげたい」と狙いを語る。

 世界遺産登録への機運が高まる地元の動きを第1部で取り上げ、第2、3部はマリモや湖沼群の希少性を紹介した。湖沼群は同時期に成立しながら、湖、沼沢、湿地それぞれが特異な水環境を作り出して多様な生物を育んでおり、世界遺産に求められる普遍的な価値を有するという。

 第4部は、既に世界遺産に登録されている鹿児島県・屋久島と北海道・知床を巡り、質の高い観光を目指す各地の取り組みを探った。屋久島は1993年の登録で知名度が上昇し、観光客が急増。その結果、縄文杉周辺で混雑が発生したり、山岳施設の維持管理費が膨らんだりするなど課題も生じている。

 こうした先進例の実情を踏まえ、第5部は阿寒湖の保護と観光振興の両立を模索した。農業など地場産業と連携した観光や地域住民の意識醸成の必要性を訴えた。年内に掲載する第6部で連載を総括する。

 市のPRが十分に浸透しておらず、世界遺産登録に向けた活動を連載で初めて知った地元住民も多いという。(梛)

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