2月17日付 福祉の視点から実情伝える

山形「県内 進む高齢化 間口除雪を考える」 

 豪雪地帯を抱える山形県。除雪車による道路整備は冬場の生活に欠かせない。一方、除雪車が通った後、道路から押しのけられて家の間口にたまった雪を片付けるのは各家庭の役割とされている。

 しかし、お年寄りや女性、障害者だけの世帯には間口除雪は大変な作業だ。1月27日付から2月1日付までの第1部は、間口除雪をする住民の声を集めた。多いときには1日3、4回の作業が必要だ。エンジンで動く小型除雪機を活用しても、除雪車が寄せた雪は固まって重くなるため、歯に絡まってしまう。あまりに雪が多いと、外出を諦めることもあるという。家の前にできるだけ雪を残さないよう、住民が行政や業者にさらなる配慮を求めている実情を伝えた。

 峯田益宏報道部副部長は「除雪を社会的弱者に配慮する福祉の視点から考えてほしかった」と連載の狙いを語る。交通網の確保を優先するのではなく、住民一人一人に気を配った除雪の在り方を探る。

 除雪を担う行政、業者の実態も取材した。家の前に雪を置いていかないようにすることと、効率的な道路除雪の両立は難しい。大半の自治体は業者に配慮を求める指示を出すにとどまる。しかし、短時間で広範囲を除雪しなくてはならないため、除雪作業者の裁量だけでは対応しきれない。住民の実態を把握した行政支援や、流雪溝などの設備を拡充する必要も浮かび上がらせた。

 これらを踏まえて今後、間口除雪に配慮する独自の制度を整備した、北海道美唄市など自治体の事例を取り上げていく考えだ。

 安達一智報道部主任は、雪国の生活に不可欠な除雪から透けて見える少子高齢化の根深さに危機感を募らせる。「個別の対応では間に合わない。行政などが実態に即した対応を取るよう、連載を通じて問題提起したい」と話す。(梛)

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