3月31日付 まちづくりの拠点に

北日本「図書館へ行こう」 

 富山県内では図書館のリニューアルが相次いでいる。財政事情が厳しくなる一方、老朽化が進んだ建物の移転や改築を機に、各館はサービス充実に知恵を絞る。地域における知のインフラである図書館には、まちづくりの拠点としての期待も高まる。1月10日~3月28日まで毎週土曜、他県の事例を交えながら図書館の将来像を探った。

 2000年以降、ビジネス支援をうたう図書館が全国に広がった。鳥取県立図書館は、日本政策金融公庫などと連携し、経営に関する相談会やセミナーを開く。利用者を呼び込もうと、ビジネス支援機能を使って成功した事業を表彰する「図書館で夢を実現しました大賞」を実施。問題解決の糸口が見つかる場所を目指している。

 図書館には地域の文化を下支えする役割がある。8月に移転する富山市立図書館本館は、ガラス美術館と同じビルに入る。雑誌を現在の5倍の500種類に増やし、アート分野を充実。ガラス関連の書籍も集め、美術館との相乗効果を図る。

 連載は「レファレンス」サービスの積極的な活用も呼び掛けた。福井県立図書館は、利用者から寄せられた本の「覚え違いタイトル」をサイトに掲載。朝井リョウさん作「桐島、部活やめるってよ」は「おい桐島、お前部活やめるのか?」、天童荒太さんの「永遠の仔」は「仔牛の子」といった具合だ。曖昧な記憶でも気軽に質問してほしいという同館の思いをつづった。

 文化部の田尻秀幸記者は、読み聞かせの時間を毎日2回設ける富山市立図書館のこども図書館、ボランティアが率先して人形劇などの行事を実施する舟橋村立図書館なども取材。県内図書館の魅力にあらためて気付かされたという。静かなイメージの図書館が苦手だった田尻記者。「『図書館へ行こう』というタイトルは、結果として自分自身への呼び掛けだったかもしれない」と語った。(福)

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